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新規取引店情報:月曜社の本を置いてくださる本屋さん

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2020年7月23日(木)プレオープン、10月1日(木)グランドオープン予定
松本本箱(坪数不明)
長野県松本市浅間温泉3-13-1 松本十帖「松本屋」1F


日販帳合。弊社は電算短冊で人文系既刊書数点を受注。挨拶状等の送付がないので自力で調べると、松本本箱は、雑誌刊行に留まらずホテル事業やオーガニック食品販売、グルメ事業などを手広く手掛ける株式会社自遊人がプロデュースする、リノベーションホテル「松本屋」1階に併設される書店。創業334年の歴史を持つ浅間温泉の老舗旅館「小柳」が、里山十帖、箱根本箱、商店街ホテル講大津百町の姉妹館として、全室露天風呂付きで24室の「松本屋」と、ファミリーや一人旅、長期滞在やグループ旅行などに対応する13室を備えた「カジュアルステイ ホテル小柳」の二館のほか、本屋やエデュケーションプレイス、ハードサイダーファクトリー、レストランを併設した「「学都」「岳都」「楽都」な松本を感じるコミュニティホテルに生まれ変わ」るとのこと。この施設一帯の名称が「松本十帖」です。プレオープンやグランドオープンの予定は、松本市でセレクトショップを運営される会社による某ブログ記事で紹介されていましたが、松本十帖に電話確認したところおおよそその予定とのことでした。


松本本箱では約1万冊を扱うとのこと。弊社への発注短冊には「カフェ――哲学と甘いもの――の哲学」との注記があるのが興味深いです(でも返条付の希望なら「客注」短冊で発注しないで欲しいし、出品しろというなら店舗の概要書ぐらいは欲しいって毎回申し上げてるんですけどね、日販さん、客注での発注ってことは返品しないんだよね?)。「本箱」の名前が付くのは日販が手掛けるブックホテル「箱根本箱」に続く二例目ですね(ちなみに箱根本箱はオーナーが日販で、運営受託が自遊人)。松本十帖の公式ウェブサイト内の紹介文によれば、松本本箱は「知識が広がっているようで視野が狭くなっている現代社会。人間の知と感性を複層的に重ねていけるような多様な知と出会う場所。それが「松本本箱」です。大人はもちろん子供の創造力も刺激する写真集や絵本を多数取り揃えます」とのこと。松本十帖の公式ウェブサイトで公開されている館内写真を拝見するかぎり、とにかく美しい、素敵な「ブックホテル」とお見受けしました。


関連記事ですが、「市民タイムスWEB」2020年2月25日付記事「浅間に今春 複合宿泊施設オープン 飲食店や書店も」に曰く「松本市の浅間温泉で今春、ホテルやレストラン、書店、雑貨店などが入った複合施設がオープンする。出版や旅館運営などを手掛け、平成30年から浅間温泉3〔所在地〕の老舗旅館・静保庵ホテル小柳も運営している「自遊人」(新潟県南魚沼市)が、同ホテルを大規模改修して複合施設にする。合わせて敷地外の施設の改修も進めており、一帯を「松本十帖」として周遊性を高めることで、温泉街全体の活性化を図る」と。コロナの影響で4月末オープンが延期となり、予約受付は今日2020年5月14日現在「ただいま7/23〜のご予約を承っております」とサイトに表示されていましたが、実際のところ予約可能なのは10月1日利用分からのようです。


同記事には「小柳の施設内には二つのホテルと書店、信州産の食材を使った料理を提供するレストラン、雑貨店、ベーカリー、蔵を改修したシードル工場などを設ける。ホテルは書店の本を楽しめる「ブックホテル松本本箱」(4月末開業予定・24室)と、バリアフリーの「ファミリーホテル自遊人」(7月以降に開業予定・14室)で、どちらのホテルも広々とした全個室に源泉を引いた露天風呂が付いている」とも書かれています。その後「ブックホテル松本本箱」は「松本屋」に、「ファミリーホテル自遊人」は「カジュアルステイ ホテル小柳」に名前を変えたということでしょう。外部のホテル予約サイトでは「松本屋」を「松本本箱 WEST」、「カジュアルステイ ホテル小柳」を「松本本箱 EAST」と表記している例も見受けます。


発注短冊に記載されていた注記「「カフェ――哲学と甘いもの――の哲学」の由来は同記事から推測できます。曰く「施設から約50メートル東にある空き家の長屋はブックカフェ「哲学とあまいもの。」に改修し、長屋の外観はそのままに、哲学書とスイーツを楽しめるカフェにする」と。また、外部のホテル予約サイトでの紹介文には、「松本本箱 WEST」すなわち「松本屋」について、以下のような記述があります。「全24室、すべて温泉露天風呂付き。全客室に、プライベート露天風呂がついています。歴史ある浅間温泉の湯を心ゆくまでお楽しみください。ホテル1階には1万冊以上の本が並ぶ本屋があり、ご宿泊のお客様は自由にご利用いただけます。敷地内や徒歩圏内に、本屋、ダイニング、醸造所、ブックカフェ等が点在。湯街を歩いて、楽しむホテルです。ツインルームが基本ですが、エキストラルーム・エキストラベッドのご利用で最大5名様までお泊まりいただける客室もあります。各客室の定員は、それぞれのお部屋タイプ詳細をご覧ください。小さなお子様のご宿泊は隣接のホテル「松本本箱 EAST」をご利用ください。なお客室のテラスも含め、敷地内は全面禁煙です」。


つまり「松本十帖」敷地内には、ホテル「松本屋」1階に書店「松本本箱」があり、離れにはブックカフェ「哲学とあまいもの。」がある、と。弊社が受けたのは松本本箱の発注だけれどもブックカフェ扱い分であると。


別の予約サイトによれば、「松本本箱は、洋室と和室を併設する宿泊施設で、温泉/露天風呂と炭火料理を提供しています。JR松本駅まで車で20分です。エアコン完備のお部屋には、テレビ、冷蔵庫、電気ポット(緑茶ティーバッグ付)、専用バスルームが備わっています。ダイニングルームでは和朝食と夕食を楽しめます。松本本箱から松本城、松本民芸館まで車で10分です」とのこと。


なお「自遊人」のウェブサイトは会社のキャッチコピーでしょうか、「Ecological, Creative, Organic. We're designning lifestyles.」という文言が掲げられています。ライフスタイルのデザイン。蔦屋書店が言う「ライフスタイルの提供」と少し異なりますが、書店や出版社が「ライフスタイル」のデザインと提供を、紙媒体の雑誌編集やその販売という範疇を超えて物理的空間のデザインと提供まで進出した好例が、自遊人であり、蔦屋書店だということに歴史的には説明できるのでしょう。そして書店の進化系ということでは、近年有隣堂が試みているような「HIBIYA CENTRAL MARKET」をはじめとする複合店や、日販が手掛ける「六本木文喫」などもそうした試みに位置づけうるのでしょう。


株式会社自遊人のウェブサイトには、同社の代表取締役/クリエイティブディレクター/雑誌「自遊人」編集長の岩佐十良(いわさ・とおる:1967-)さんは「Founder's Message」として次のように発信されています。「自遊人は「伝える」のプロです。雑誌編集に始まって、食品の企画、製造、販売、農業、宿泊施設……私たちは「伝える」をテーマに、いろんなモノやコトを社会に提供してきました。そして最初のホテル「里山十帖」の開業後は、たくさんのご相談もいただくようになりました。「本当に、名もない温泉地の古い宿にも将来はあるの?」 私たちは「一軒の宿が地域のセンターハブになり得る」と考えています。もっと言うならば、衣食住遊、ライフスタイルのすべてを提案できる「宿」は新たなリアルメディアであり、地域の司令塔にもなれるはずなのです。里山十帖はその実験施設。新しいメディアの「新潟特集」でもあります。今後はブランドコンサルティングからオペレーション受託まで幅広く活動し、日本全国で「伝える」仕事をしていきたいと思っています」。


プロフィールによれば岩佐さんは「武蔵野美術大学でインテリアデザインを専攻。在学中の1989年にデザイン会社を創業し、のちに編集者に転身。2000年、温泉や食に関する記事が人気の雑誌「自遊人」を創刊、編集長に。編集者の役割は社会に「体験・発見・感動」を伝えることというポリシーのもと、雑誌だけでなく、既存の「モノ」を「リアルメディア」化することに力を注ぐ」とあります。会社沿革には「1989年5月、代表者の岩佐十良が武蔵野美術大学在学中にデザイン会社として創業。当初の業務はグラフィックデザイン&空間デザイン」と。空間設計という出発点があればこその「現在」なのでしょう。


岩佐さんは「What We Do」欄でこうも書いておられます。「私たちの会社の存在意義は「新しい体験・発見・感動を社会に提案し続けること」。雑誌をつくっているころから常に考えているのは、「社会的意義の ある仕事をすれば、利益は必ずついてくる」「必ず応援してくれる人が現れる」。「どうやったら儲かるか」ではなく、「どうしたら世の中が楽しくなるか」」。そんな株式会社自遊人さんですが、「「10年、10拠点」。地域の魅力を再編集した施設を全国に! 一緒に働いてくれる仲間を募集しています」とのことで、メディア型ホテルで情報を発信するプレゼンター、プランナー・ディレクター、経理、などの人材を募集されているようです。


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