Quantcast
Channel: URGT-B(ウラゲツブログ)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1277

メモ(27)

$
0
0
アマゾンが「返品可否の確認」と題した何やらとても抽象的な返品依頼を突如としてメールで送りつけてきました。送信日は、よりによって、今般のバックオーダー中止以後の概況についての説明会で提示された直取引の新条件の有効期限最終日の日没どきです。非常に嫌なタイミングとしか言いようがありません。


出版社としては次のような反応が当然出てきます。


1)仕入れた取次へ返品すべき。日販か大阪屋栗田か、返品先が不明瞭では了解できない。
2)返品理由が曖昧。長らく不稼働、の「長らく」の基準が示されておらず、アマゾンの需要予測自体がそもそも疑問になってくる。
3)以上のことを問い合わせようにも、メアドと部署名だけで、担当者名も電話やFAXなどの連絡先も何も書いていないのは非常識。
4)回答期限まで3~4営業日しかないのは一方的過ぎる。
5)バックオーダー中止と同じく、このやり方※は版元には「恫喝」に見えがち。


※このやり方・・・アマゾンのメール文中にある「返品不可商品とお返事いただいた銘柄については、弊社では今後返品できない銘柄としてシステムにて認識いたします。その場合、対象銘柄における今後の取り扱い方法や在庫数量について変更する可能性がございます」というくだり。


こうしたメールでの返品依頼をこの先アマゾンは、定期的に行なうと宣言しています。このやり方は嫌がらせにしかならないですし、まったくの逆効果だと思います。これは直取引しない版元へのプレッシャーなのでしょうか。それとも取次さんの、アマゾンとの関係がいっそう悪くなっているのでしょうか。


そもそも1)に関して、アマゾンは個別の商品についてどこの取次さんから仕入れたのか、分からなくなっているとしたら、恐ろしい話です。この件では取次さんに問い合わせをすでに入れており、一定の解釈(そもそも別会社なので説明は不可能)を聞きました。が、なによりアマゾン側が丁寧に説明すべきなのにこの有様では先が思いやられます。


アマゾンさんのとある上席の方から当ブログをご覧になっていると説明会の席上ではっきりご挨拶いただいたのでこの際申し上げますが、私が説明会後に貴社からいただくはずになっていた配布資料の完全版(数値が出ていない箇所を修正したもの)はいまだに届きません。その資料がないと、貴社の説明会で言われていた「計算」ができず、取引新条件について検証することができないのにもかかわらず、です。それなのに、資料を寄こさない代わりに返品依頼書ですか。貴社が出版社の問い合わせについて猛烈にレスポンスが遅く、満足のいく回答率も低いことはこの業界ではとても有名です。他書店ではできるような「普通の」対応がまったくできておられないのは実に残念です。


今回の件も特に難しい案件ではなく版元は「普通に」返品入帳できる話なのに、様々な不備のせいで「アマゾンがまた変なこと始めたよ」といううんざりした反応しか引き起こしていないのは、どうにも不合理な話ではないでしょうか。簡単な話をわざわざ難しくしていらっしゃる。


アマゾンがただちにやるべきなのは次のことです。


1)どの銘柄をどの取次から何冊返品するのかきちんと明示すること。
2)返品理由を明快に説明すること。
3)電話で話せる「正式な担当者名と責任者名」を記載すること。
4)メールでの一方的な回答期限の設定はやめること。
5)出版業界の慣例を無視したやり方は反発しか招かないと知ること。


どうしてこんな当たり前のことがアマゾンにはできないのか、理解に苦しみます。説明会で会うスタッフや上席の皆さんのさほど悪くない印象と、こうした圧迫的通告を機械的に繰り返すこととの間のイメージギャップが大きいのも、理解できません。


+++



Viewing all articles
Browse latest Browse all 1277

Trending Articles