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注目新刊:ハーマン『非唯物論』河出書房新社、ほか

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弊社出版物でお世話になっている皆様の最近のご活躍をご紹介します。


◆上野俊哉さん(著書:『増補新版 アーバン・トライバル・スタディーズ』、共訳:ギルロイ『ブラック・アトランティック』)
一昨年に刊行された『四方対象――オブジェクト指向存在論入門』(岡嶋隆佑/山下智弘/鈴木優花/石井雅巳訳、人文書院、2017年9月)に続くグレアム・ハーマン(Graham Harman, 1968-)の訳書第2弾『非物質論』の翻訳を手掛けられました。同書は『Immaterialism: Objects and Social Theory』(Polity Press, 2016)の訳書です。書誌情報と目次を以下に掲げます。

非唯物論――オブジェクトと社会理論
グレアム・ハーマン著 上野俊哉訳
河出書房新社 2019年3月 本体2,600円 46判上製216頁 ISBN978-4-309-24901-8
帯文より:対象(オブジェクト)は非関係によって知られ、共生は非相互的、非対称的である――。アクター-ネットワーク論や新たな唯物論との対決を通して、オブジェクト指向存在論の核心を「非唯物論」としてあきらかにし、オブジェクトとしての東インド会社の考察によってその社会・歴史への応用をしめしたハーマン自身によるハーマン入門。
訳者解説より:むしろ、こう言ってもいい。ハーマンは、これまで人間について語られてきた哲学的概念を徹底して対象やモノ、非人間一般についても言えるようにするための概念に作りかえることを絶えず試みている、と。


目次:
第一部 非唯物論
 1 オブジェクトとアクター
 2 掘り重ねという危険
 3 唯物論と非唯物論
 4 ANTを発展される試み
 5 モノ自体
第二部 オランダ東インド会社
 6 VOC(東インド会社)の紹介
 7 共生について
 8 総督クーン
 9 バタヴィア、スパイス諸島、マラッカ
 10 アジア内部のVOC
 11 ANT再論
 12 創生、成熟、衰微、終焉
 13 OOOの方法をめぐる15の暫定的なルール
解説 モノたちとのおちつかない共生に向けて|上野俊哉
参考文献


★「この本の第一部は1900年における現象学以降に登場した最も重要な哲学的方法となっているアクター-ネットワーク・セオリー(ANT)、ならびにわたし自身の立場であるオブジェクト指向存在論(OOO)と、これとしばしば混同される現代思想の一派である「新しい唯物論」に焦点をあてている」(9頁)。「オブジェクト指向社会理論の探究の動機は、まずオブジェクト指向哲学への関心に求められる。この哲学の最初の公準はこうなる。一切がひとしなみに実在=現実的であるとは言えないにしても、あらゆる対象はひとしく対象(オブジェクト)である。つまり、実在的対象の自律性と感覚的対象の従属性――対象(オブジェクト)に出会う存在者がどんなものであれ、感覚的対象(オブジェクト)はそれに従属しているということ――をわれわれは区別しなければならないということである」(11頁)。

◆溝口昭子さん(寄稿:『多様体1』)
◆吉田裕さん(寄稿:『多様体1』)
先月末発売され今月より店頭発売開始となった以下の論文集に『多様体1』へのご寄稿との関連がある論考を執筆されています。溝口さんは第Ⅰ部「ネイションを求めて――コロニアリズムからの脱却」の第2章「国民国家(ネイション=ステイト)を希求する人びと――南アフリカ人作家H・I・E・ドローモの劇における国家観の変遷」(61~97頁)を執筆され、吉田さんは第Ⅱ部「ネイションのはざまで――ポストコロニアリズムの位相」の第4章「植民地主義と情動、そして心的な生のゆくえ――ジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』と『故郷喪失の喜び』における恥の位置」(137~174頁)を執筆されています。


国民国家と文学――植民地主義からグローバリゼーションまで
庄司宏子編著
作品社 2019年2月 本体3,200円 46判上製340+11頁 ISBN978-4-86182-727-3
帯文より:〈国民国家〉の“本質”とはなにか? 文学的想像力から迫るポストコロニアル研究の最前線。


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