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注目新刊:金子遊『混血列島論――ポスト民俗学の試み』フィルムアート社、ほか

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★佐藤真理恵さん(著書:『仮象のオリュンポス』)
月刊誌「ユリイカ」2018年5月号(特集:アーシュラ・K・ル=グウィンの世界)に、「見出された世界――アーシュラ・K・ル=グウィンにおける名・影・帰還」と題されたテクストを寄稿されています(155~161頁)。同号では『ゲド戦記』の訳者である清水眞砂子さんへのインタヴュー「アースシーを歩きつづけて」や、萩尾望都さん、白井弓子さんによるオマージュイラスト、さらに上橋菜穂子さんと荻原規子さんによる対談「「ゲド戦記」とわたしたち、あるいはファンタジーを継ぐということ」などを掲載し、盛りだくさんの内容です。



★鵜飼哲さん(共訳:ジュネ『公然たる敵』)
月刊誌「現代思想」2018年5月号(特集:パレスチナ‐イスラエル問題――暴力と分断の70年)で、臼杵陽さんとともに「ナクバは何を問いかけるのか」という討議を行われています(16~36頁)。同号では今年訳書が刊行されたハミッド・ダバシやイランパペの論考も掲載されており、さらに両者を論じた早尾貴紀さんによる「「ユダヤ人国家」イスラエルの歴史実在論とポスト・オリエンタリズムの課題――イラン・パペとハミッド・ダバシ」も併載されています。



★金子遊さん(編書:松本俊夫『逸脱の映像』)
フィルムアート社さんから3月下旬に単独著を刊行されました。目次詳細や試し読みは書名のリンク先で提供されています。金子さんは巻頭の「prologue 混血列島論」でこうお書きになっています。「わたしたちは谷川健一の思想に導かれて、ヤポネシアにさまざまな異質性と重層性をはらんだ、あるがままの「混血列島」を再発見する。ヤポネシアを育んできたユーラシア大陸や大河川の上流地域、朝鮮半島やインドシナ半島、ミクロネシアからフィリピンやインドネシアの島々にいたるまで、文化的にも遺伝子的にも祖先の記憶が感じられるという意味では、その圏域はわたしたちにとって、さらに広大な「マクロネシア」とでも呼ぶべきものを形成しているのだといえないか」(22頁)。


混血列島論――ポスト民俗学の試み
金子遊著
フィルムアート社 2018年3月 本体3,000円 四六版上製288頁 ISBN978-4-8459-1709-9
帯文より:わたしたちは混血している。サントリー学芸賞受賞の批評家が、文学、映像、フォークロア研究を交差させながら、太平洋の島嶼という視点で日本列島(ヤポネシア)に宿る文化の混淆性を掘り起こす、新たな民俗学。


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