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4月上旬刊行予定:J-L・ナンシー『ミューズたち』

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2017年4月5日取次搬入予定 *人文/芸術/現代思想


ミューズたち
ジャン=リュック・ナンシー著 荻野厚志訳
月曜社 2018年4月 本体:2,700円、46変型判[190mm×115mm×18mm]並製292頁 ISBN: 978-4-86503-060-0


美学の脱構築へ。古代から現代に至る広範な美学史や哲学史を参照しつつ、複数かつ単数の〈感覚=意味〉の問題として批判的に検討し直す、ナンシーによる芸術哲学の精華。解説=暮沢剛巳【芸術論叢書:第5回配本】


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ミューズたちの名は、ある語根に由来している。それは熱情を、焦燥、欲望、あるいは怒りのなかに募る激しい緊張感を、知りたい、作りたいという熱意に充ちた緊張感を示している。より穏当な解釈では「精神の運動」だと言われる。ミューズは、励まし、駆り立て、搔き立て、揺さぶる。彼女は形態よりも力を見守る。あるいは、より正確には、彼女は力を込めて形態を見守る。しかし、この力は複数形でほとばしる。この力は当初から複数の形態で与えられている。存在するのはミューズたちであって、ミューズなるものではない。彼女たちの人数は、その属性と同じで、さまざまに変わるものだったが、ミューズたちはつねに多数いただろう。(本書より)


目次:
Ⅰ なぜ、ただ一つではなく、いくつもの芸術があるのだろうか?(世界の複数性についての対話)
Ⅱ ミューズたちを継ぐ乙女(諸芸術のヘーゲル的誕生)
Ⅲ 閾の上に
Ⅳ 洞窟のなかの絵画
Ⅴ 芸術の残骸
Ⅵ 諸芸術は一方と他方で為される
Ⅶ プラエセンス
日本語版解説 ジャン゠リュック・ナンシーと洞窟壁画:一つの註釈として(暮沢剛巳)
訳者あとがき

原書:Les Muses, Édition revue et augumentée, Éditions Galilée, 1994/2001.

ジャン゠リュック・ナンシー(Jean-Luc Nancy)1942年生。フランスの哲学者。芸術論系の著書に『訪問――イメージと記憶をめぐって』(西山達也訳、松籟社、2003年)、『映画の明らかさ――アッバス・キアロスタミ』(上田和彦訳、松籟社、2004年)、『肖像の眼差し』(岡田温司/長友文史訳、人文書院、2004年)、『イメージの奥底で』(西山達也/大道寺玲央訳、以文社、2006年)などがある。


荻野厚志(おぎの・あつし)1972年生。パリ第7大学DEA取得。芸術学、仏文学。既訳書にジャン゠リュック・ナンシー『私に触れるな――ノリ・メ・タンゲレ』(未來社、2006年)など。

暮沢剛巳(くれさわ・たけみ)1966年生。東京工科大学デザイン学部教授。近書に『オリンピックと万博――巨大イベントのデザイン史』(ちくま新書、2018年)など。
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