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注目新刊とイベント情報:佐藤嘉幸/廣瀬純『三つの革命』、ほか

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★佐藤嘉幸さん(共訳:バトラー『自分自身を説明すること』『権力の心的な生』)
★廣瀬純さん(著書:『絶望論』、共著『闘争のアサンブレア』、訳書:ヴィルノ『マルチチュードの文法』、共訳:ネグリ『芸術とマルチチュード』)
ともに1971年生まれのお二人がドゥルーズ/ガタリの共著『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』『哲学とは何か』の「核心に「革命」という揺るぎない主題があった」(序論、12頁)ことを示す意欲作『三つの革命』を先月上梓されました。本年末の紀伊國屋じんぶん大賞に間違いなくランクインするであろう書目であり、続篇も予感させる内容となっています。また、日本の社会状況に鋭く切り込んだ結論は豊かな議論の呼び水となるのではないかと思われます。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。なお佐藤さんは清水知子さんとの共訳でジュディス・バトラーの『アセンブリ――行為遂行性・複数性・政治』を青土社さんから今月下旬に上梓されるようです。


三つの革命――ドゥルーズ=ガタリの政治哲学
佐藤嘉幸/廣瀬純著
講談社選書メチエ 2017年12月 本体2,000円 四六判並製352頁 ISBN978-4-06-258667-2


なお、上記のお二人に、
★江川隆男さん(訳書:ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』)
を加えたお三方で、『三つの革命』刊行記念のトークショーが今月中旬、以下の通り行われます。トークショー終了後、サイン会が行なわれるとのことです。『三つの革命』をお求めのお客様に、佐藤嘉幸さんと廣瀬純さんがサインされます。


◎ドゥルーズ゠ガタリとは誰だったのか?



出演:佐藤嘉幸、廣瀬純、江川隆男
日時:2018年1月16日 (火) 19時00分~(開場:18時30分)
会場:八重洲ブックセンター本店 8F ギャラリー
料金:500円(税込) 当日会場にてお支払いください。 
定員:80名(申し込み先着順) ※定員になり次第、締め切らせていただきます。
申込:1階カウンターにて参加整理券をお渡しいたします。また、お電話によるご予約も承ります。(電話番号:03-3281-8201)※参加整理券1枚につき、お1人のご入場とさせていただきます。
主催:八重洲ブックセンター/協賛:講談社


内容:三つの革命20世紀を代表する哲学者ジル・ドゥルーズ(1925-95年)は、『差異と反復』(1968年)と『意味の論理学』(1969年)を公刊したあと、精神科医であるフェリックス・ガタリ(1930-92年)との協同作業に挑んだ。その成果は『アンチ・オイディプス』(1972年)と『千のプラトー』(1980年)という世間を驚愕させる著作を生み出し、さらに晩年に至って『哲学とは何か』(1991年)を世に問うことになる。これら3冊を貫くただ一つの課題とは何だったのか? そして、それは今日の情勢、とりわけ2011年以降の日本の情勢の下でも有効性をもちうるのか? 誰もなしえなかった大胆にして精緻な読解を新著『三つの革命──ドゥルーズ゠ガタリの政治哲学』で行った佐藤嘉幸と廣瀬純が、独自のドゥルーズ゠ガタリ読解で知られる江川隆男に対峙する。初顔合わせとなる未曾有の討論が、ここに始まる!

★本橋哲也さん(訳書:ジェームズ『境界を越えて』、共訳:スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』)
イラン出身の中東研究家にして比較文学者で、アメリカ・コロンビア大学教授のハミッド・ダバシ(Hamid Dabashi, 1951-;より原音に近い表記では、ハミード・ダッバーシー)の著書『ポスト・オリエンタリズム』(原著『Post-Orientalism: Knowledge and Power in Time of Terror』Transaction Publishers, 2009)の共訳書を昨年末上梓されました。ダバシの単独著が訳されるのは『イラン、背反する民の歴史』(青柳伸子/田村美佐子訳、作品社、2008年)以来です。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。


ポスト・オリエンタリズム――テロに時代における知と権力
ハミッド・ダバシ著 早尾貴紀/本橋哲也/洪貴義/本山謙二訳
作品社 2017年12月 本体3,400円 46判上製380頁 ISBN978-4-86182-675-7

★星野太さん(著書:『崇高の修辞学』)
★近藤和敬さん(著書:『カヴァイエス研究』、訳書:カヴァイエス『論理学と学知の理論について』)
昨年末に発売された青土社さんの月刊誌『現代思想2018年1月号 特集=現代思想の総展望2018』に寄稿されています。
星野さんの論考「暗き生――メイヤスー、ブラシエ、サッカー」(164~175頁)の節題を列記しておくと、1:21世紀の「生の哲学」、2:群れ――生と内在、3:極限環境微生物――生と例外、4:無-相関――祖先以前性と事後性、5:おわりに。

近藤さんは黒木萬代さんとともにルーベン・ハーシュによる書評「アラン・バディウ『数と数たち』」をお訳しになり(228~233頁)、さらに図解「現代思想の古層と表層のダイアグラム――狭義の現代思想とそれと肯定的/批判的に関連する哲学・思想・科学諸分野の関係図」(234~235頁)と、ダイアグラムのための「端書き――制作意図の説明あるいは釈明」(236頁)をお寄せになっておられます。このダイアグラムは19世紀から現在に至る思潮年表ともなっており、書店さんにおかれましては拡大コピーしてご活用いただけるのではないかと思われます。


★鈴木一誌さん(共著:『絶対平面都市』)
東京大学出版会が発行する月刊PR誌「UP」2018年1月号に、「ノイズへの恩義――長谷正人『ヴァナキュラー・モダニズムとしての映像文化』を読んで」が掲載されています(7~12頁)。なお現物未確認ですが、『中央公論』2018年1月号の巻頭グラビア「わたしの仕事場」が「鈴木一誌――本に囲まれた地下空間」とのことです。



★上村忠男さん(訳書:アガンベン『到来する共同体』、編訳:パーチ『関係主義的現象学への道』、スパヴェンタほか『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』、共訳書:アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』『涜神』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』)

未來社が発行する季刊PR誌「未来」の2018年冬号(590号)で新連載「独学の思想」が始まっています。第1回は「フッサール『危機』書からの再出発」です(10~21頁)。なお上村さんは未來社より2月に近年の論考をまとめた『言説の異他なる反場所から』(四六判上製250頁、本体予価3,200円、ISBN978-4-624-93282-4)を上梓されるご予定だそうです。シリーズ「ポイエーシス叢書」の第72弾。


★川田喜久治さん(写真集:『地図』)
東麻布2丁目のPGIにて、「ロス・カプリチョス」全シリーズのプリントを展示する個展が今月中旬より行われます。入場無料。開館は月~金が11~19時、土が11~18時。日祝は休館。イベント名のリンク先で川田さんご自身によるメッセージを読むことができます。


◎川田喜久治「ロス・カプリチョス –インスタグラフィ– 2017」



日時:2018年1月12日(金)~3月3日(土)
場所:PGI(港区東麻布2-3-4 TKBビル 3F)
内容:「ロス・カプリチョス」は、1972年に『カメラ毎日』で連載したのを皮切りに写真雑誌で散発的に発表され、1986年にはフォト・ギャラリー・インターナショナル(現PGI)で個展を開催しましたが、その後1998年に「ラスト・コスモロジー」、「カー・マニアック」と共に、カタストロフ三部作の一つとして写真集『世界劇場』にまとめられただけで、「ロス・カプリチョス」として一つの形にまとめられたことはありませんでした。本展「ロス・カプリチョス –インスタグラフィ– 2017」は、1960年代から1980年代初めまでに撮影された中から、未発表作品を含め新たにNew Editionとして再構成し、更に近年2016–2017年に撮影した作品を『続編』として編んだものです。幻想的銅版画集、ゴヤの『ロス・カプリチョス』に惑わされた川田が、そのイメージの視覚化に没頭し、街を彷徨い、その幻影を追ったこの作品は、スナップ的な手法で、時に多重露光などの技法を用い、身近な日常風景、都市風景に不穏な影を落とし、現代に蔓延する社会不安から終末思想を体現してきました。その写真は見るものに違和感を与え、不安を煽り、私たちの心を揺さぶります。本展では、当時のネガより新たに制作されたアーカイバル・ピグメント・プリントを展示致します。


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