「businessnewsline」2016年12月6日付、Harry Martin氏記名記事「Amazon: レジのないスーパー「Amazon Go」を発表・客は商品を取って持ち帰るだけでOK」によれば、米アマゾンはスーパーマーケット「Amazon Go」を来年から店舗展開すると5日に発表したとのこと。「スーパー内に入る際に、客は自分が持っているスマートフォンで認証を行う必要があるが、一旦認証手続きが済んでしまえば、面倒なレジの手間は必要なく、店内に並んでいる商品に関しては手に取るだけで、自動的にコンピュータービジョンで自動認識を行うことで清算手続きが完了してしまう」といいます。さらに以下のような特徴がある、報じられています。
・いったん手に取ったものでも棚に戻せば、買ったことにはならない。
・清算のためにレジに並ぶ必要がないため、他のスーパーに比べて手軽に、かつ迅速に買物を済ませることができる。
・レジ担当の従業員を雇う必要がなくなるため、人件費の大幅な削減が可能。
・手に取るだけで清算が完了するので、万引被害をゼロにすることも可能。
リンク先の記事では動画「Introducing Amazon Go and the world’s most advanced shopping technology」もご覧になれます。コンピュータ・ヴィジョン、ディープラーニング・アルゴリズム、センサー・フュージョン、といった技術を駆使したこの方式をアマゾンでは「Just Walk Out Technology」と呼んでいます。従業員がますます不要となる小売店の進化には呆然とするほかありません。Amazon Goは来年の早い時期にシアトルの7thアヴェニューで開店するようです。なお、米アマゾンは同じくシアトルのユニヴァーシティ・ヴィレッジに約1年前(2015年11月3日)、リアル書店「Amazon Books」を開店させていることは周知の通り。こちらでの支払い方法はレジでのクレジットカード払いのみ(「ニュースウォーカー」2016年2月9日付記事「米シアトル「Amazon Books」で体験するリアル書店の未来形」参照)。リアル書店でもAmazon Goのようなコンピュータ・ヴィジョンが将来的に可能になるなら画期的なことですが、スーパーと違って書店は1冊ずつしか店頭に置いていない商品が大半なので、勝手が違うかもしれません。
ちなみにAmazon Booksでは「レジ支払時にPrime会員になるよう勧誘されるとのこと。結果、レジ客はPrime会員となって値引き価格で購入するか、拒否して定価で購入するかの選択が迫られるようになったという」と「hon.jp DayWatch」2016年11月2日付記事「米Amazonのリアル書店「Amazon Books」、レジ支払時にPrime会員勧誘活動を開始、非会員だと定価でしか買えないように」で伝えられています。この記事は米国の電子書籍ニュースサイト「The Digital Reader」11月1日付、ネイト・ホッフェルダー氏記名記事「Amazon is Now Charging Non-Prime Member Customers List Price in Its Bookstores」を参照したもの。開店当時と違って、会員でない客にとってはネットで購入するより実店舗で買った方が本の値段が高くなる、という理解で良いかと思われます。この種の囲い込みは功を奏するのでしょうか。
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