茅辺かのう集成――階級を選びなおす
茅辺かのう[著]
月曜社 46判[天地188mm×左右130mm×背幅30㎜ 重量500g]並製632頁
本体価格4,800円 ISBN:978-4-86503-176-8 C0095
内容:退路を断ちながら生きてきた人の「ぜいたく貧乏」な24編。代表作『階級を選びなおす』をはじめ、『アイヌの世界に生きる』の初出誌連載版「土と雪のあいだ――あるアイヌ農婦の七十年」など、稀有な生き方を選んだ女性の軌跡を集成! 解説:黒川創・瀧口夕美。
目次:
Ⅰ 階級を選びなおす
第一章 水産加工場
第二章 農業労務者
第三章 観光地
短章
あとがき
Ⅱ 土と雪のあいだ
自分の占める地点に立って
砂の重さ――北海道の女子出稼労働者の十年間
ある差別――虚構のコタンから
壁のなか――アイヌ・父と娘
土と雪のあいだ――あるアイヌ農婦の七十年
文様と刺繡と女たち
Ⅲ 個と女
なぜひとりでいるのか――抽象的人間関係について
基になるもの――働く女たちの中で
「天皇」に対置し得るもの
Ⅳ 回想――京都
最初の訛り
太田典礼とふるさと
最初の本が出るまで
60年代後半からの年月
海辺の村――ぜいたく貧乏の家
京都・上賀茂・芸術の父――井上美奈子さんの10才
上賀茂のころ
Ⅴ 北海道から――拾遺
ゆうびんばこ
同時代観
現場の目
由美さんのこと
智子さんのこと
北海道の生活から――釧路の街
北海道その後
解説
彼女が「茅辺かのう」になったとき(黒川創)
「素姓の知れないひとりの中年女」として生きた経験(瀧口夕美)
年譜
茅辺かのう(かやべ・かのう):本名、井上美奈子。1924年、京都府の丹後・宮津に、日本画家・井上永悠の長女として生まれる。1948年、京都大学を中退。その後、東京で編集者として働く。1961年、東京を離れ、政治運動をともにした男との生活も引き払い、季節労働者として北海道を10年以上転々とする。1973年、京都の実家に引き返し両親の最期をみとる。2007年没。【著書】『階級を選びなおす』(文藝春秋、1970年)、『アイヌの世界に生きる』(筑摩書房、1984年/ちくま文庫、2021年)。
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