2016年9月1日(木)開店
MUJI BOOKS岡山店:??坪
岡山県岡山市北区中山下1-11-54 LOTZ 4F
日販帳合。弊社へのご発注は外国文学。「白い本」に分類されるようです。MUJI BOOKSは現在国内では、キャナルシティ博多、インフォス有楽町、アトレ恵比寿、仙台ロフトなどに4店舗オープンしてきましたが、発注書に特記された情報によると、9月末には日販帳合でさらに4店舗を新規開店するそうです。現時点で弊社に届いている発注は岡山店からのみなので、他の3店舗の詳細は不明ですが、岡山と同様であるならば、リニューアルする無印良品の中にMUJI BOOKSが入るという展開なのかなと推察します。
岡山LOTZ(ロッツ)はJR岡山駅東側、県庁通り沿いの繁華街に位置しており、近隣には天満屋やクレド岡山があります。岡山シンフォニービルからも徒歩5分ほど。現在リューアル中だという施設内にはLOFTやABC MART、GUやスタバなどが入っており、書店はありません。そもそもMUJI BOOKSは他の書店と競合するような業態ではないので、ショッピングモールや商業ビル内で以後も全国に増えていくのかもしれません。フロアガイドでは4Fの大部分が無印良品であり、それなりに広い売場となりそうです。
専業書店とは競合しない(という建前の)複合書店は、デベロッパー側からは声を掛けられやすいのかもしれないと想像します。これまで各地の商業施設では専業書店と並んでヴィレッジヴァンガードやその兄弟ブランドであるニュースタイルなどを見かけることが多かったのですが、昨今ではリーディングスタイル(大阪屋栗田)や、アンジェ(ふたば書房)、ペーパーウォール(オリオン書房)、セレンディップ(明屋書店)、そしてMUJI BOOKSなど、選択肢が増えている状況かと思われます。これからはMUJI BOOKSのように、業界外からの参入が増えるのかもしれません。
書店のリアル店舗開発のトレンドは、ゼロ年代でピークを迎えた大型化から、テン年代には複合化へと変化してきており、その代表格が蔦屋書店であることは周知の通りです。書籍や雑誌の売上の落ち込みを考えるとこの変化は不可逆的であるといえます。今後もますます「セレクトショップ」型の書店が主流になる場合、そこで置かれる商品を編集者が企画できるか否かは、いわゆる「総合出版社」にとっては死活に関わる問題となるでしょう。こうした動向に対して専門書版元は基本的に大部分は蚊帳の外ですが、専門書版元がベストセラーを生まないとも限らないので、セレクトする側の書店員の選書眼が問われることになります。と同時に、版元営業マンや取次による「開発」(販路拡大)のセンスも問われます。
その一方で、セレクトショップや複合型書店では追随しきれない専門書をどう販売していくかが、専業の大型書店ではいっそう重要になるはずではあります。百貨店型の総合出版社や総合書店の運営が徐々に困難になりつつある時代ではあるものの、専門書に特化した書店チェーンが誕生するには至っていません(それどころか、大型書店での専門書販売はますます厳しくなっています)。巨大ショッピングモールから大型書店が撤退していくきざしが見えつつあるこんにちこそ、ポスト複合化時代の書店像を考えねばならなくなっているように感じます。そして、そのブレイクスルーを見出すのは、業界外からの新規参入組なのかもしれません。
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新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる本屋さん
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