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月曜社2021年3月新刊:カトリーヌ・マラブー『真ん中の部屋――ヘーゲルから脳科学まで』

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2021年3月5日取次搬入予定 *人文・フランス現代思想


真ん中の部屋――ヘーゲルから脳科学まで
カトリーヌ・マラブー[著] 西山雄二/星野太/吉松覚[訳]
月曜社 2021年3月 本体3,400円 46判並製376頁 ISBN978-4-86503-108-9


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新しい唯物論の喜びへといざなう論文集――脱構築思想の批判的継承者マラブーの論考15本を収載。ヘーゲル弁証法の可能性を問い直しつつ、ニーチェ/フロイトからドゥルーズ/バトラーまでの現代思想を俎上に載せるとともに、脳科学の可能性を哲学の試練にかけて、神経の可塑性、病態失認、クローン技術などを考察する。哲学と脳科学との対話によって現れる〈真ん中の部屋〉への招待。シリーズ〈哲学への扉〉、第8回配本。


序文より:「私が望んでいるのは、本書全体が哲学と科学のアクチュアリティへのアプローチをなしうることである。このアプローチは、どうしても部分的なものではあるが、新たな道を切り拓き、物質に即して自由を思考する別の方法を提起しようとするのである。かならず弁証法的で脱構築的ではあるが、さほど抽象的ではない生のあり方に依然として結びついている新しい唯物論を練り上げられると私は信じている。その喜びが欠けることはないと願っている」。


原著:La chambre du milieu : De Hegel aux neurosciences, Hermann Éditeurs, 2009.


目次:
序文
第一部
第1章 ヘーゲルと電気の発明
第2章 弁証法の否定的なもの ヘーゲルとハイデガーのあいだで――イポリット、コイレ、コジェーヴ
第3章 弁証法的否定性と超越論的苦痛――ヘーゲルを読むハイデガー
第4章 世界の歴史と喪の可塑性
第5章 読解――不完全な隅石、あるいは再び閉じた傷
第二部
第6章 隔たりの差異――ハイデガーとレヴィ゠ストロース
第7章 誰がヘーゲルの狼を恐れるのか
第8章 永劫回帰と差異の亡霊
第9章 フロイトの二人のモーゼ
第10章 性的アイデンティティの構成において何が失われるのか
第三部
第11章 神経の可塑性をめぐるイデオロギー的な争点
第12章 神経生物学的理性批判のために――ジャン゠ピエール・シャンジュー『真、美、善について:新たな神経的アプローチ』について
第13章 幻影肢、病態失認、否認――欠損という問題に直面したメルロ゠ポンティと現代神経生物学
第14章 恩寵と中毒――フェリックス・ラヴェッソン『習慣論』の導入のために
第15章 再生されるものたち――幹細胞、遺伝子治療、クローニング
訳者あとがき


著者:カトリーヌ・マラブー(Catherine Malabou, 1959-)アルジェリア生。イギリス・キングストン大学教授。専門は独仏の近現代哲学。著書に『わたしたちの脳をどうするか――ニューロサイエンスとグローバル資本主義』(桑田光平・増田文一朗訳、春秋社、2005年)、『ヘーゲルの未来――可塑性・時間性・弁証法』(西山雄二訳、未來社、2005年)、『新たなる傷つきし者――フロイト神経学へ 現代の心的外傷を考える』(平野徹訳、河出書房新社、2016年)、『明日の前に――後成説と合理性』(平野徹訳、人文書院、2018年)、『偶発事の存在論――破壊的可塑性についての試論』(鈴木智之訳、法政大学出版局、2020年)。


西山雄二(にしやま・ゆうじ、1971-)東京都立大学教授。専門は現代フランス思想。著書に『哲学への権利』(勁草書房、2011年)、訳書にジャック・デリダ『条件なき大学』(月曜社、2008年)など。


星野太(ほしの・ふとし、1983-)早稲田大学社会科学総合学術院専任講師。専門は美学、表象文化論。著書に『崇高の修辞学』(月曜社、2017年)、共訳書にカンタン・メイヤスー『有限性の後で』(人文書院、2016年)など。


吉松覚(よしまつ・さとる、1987-)立命館大学客員協力研究員。専門はフランス思想、哲学。著書に『生の力を別の仕方で思考すること』(法政大学出版局、2021年)、共訳書にマーティン・ヘグルンド『ラディカル無神論』(法政大学出版局、2017年)。




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