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注目新刊:淵田仁『ルソーと方法』法政大学出版局、ほか

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◆淵田仁さん(ウェブ連載:ルソー『化学教程』)
先月初の単独著『ルソーと方法』を刊行されました。本書を中心とした淵田さんご自身によるコメント付き選書リスト「どう考え、どう語るのか」を哲学するための5冊」がhontoのブックツリーで公開されています。


ルソーと方法
淵田仁著
法政大学出版局 2019年9月 本体4,800円 A5判上製372頁 ISBN978-4-588-15104-0

帯文より:〈山師〉とは誰か? 自らのエクリチュールを山師のやり口と称し、啓蒙の知を知たらしめる規範的方法を斥けた、孤高のフィロゾーフ、ルソー。そのきわめて特異で、真に哲学的な問題意識に迫る。


主要目次:
はじめに
序論 方法をめぐる問い
第一部 認識の方法
 第一章 コンディヤックの分析的方法
 第二章 ルソーの能力論
 第三章 分析への抵抗と批判
第二部 歴史の方法
 第四章 「歴史家」の問題
 第五章 『人間不平等起源論』における歴史記述
 第六章 自己の歴史の語り
結論 山師とは誰か
あとがき
文献表
事項/人名索引

◆清水知子さん(著書:『文化と暴力』、共訳:バトラー『自分自身を説明すること』『権力の心的な生』)
◆毛利嘉孝さん(著書:『文化=政治』、共訳:ギルロイ『ブラック・アトランティック』、クリフォード『ルーツ』)
先月刊行されたアンソロジー『コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求』に論考を寄稿されています。清水さんは第Ⅱ部「コミュニケーション資本主義と生権力」の第7章「生(バイオ)資本主義時代の生と芸術──クトゥルー新世・人工生命・生哲学」を担当され、毛利さんは第Ⅲ部「コミュニケーション資本主義における抗争」の第9章「資本主義リアリズムからアシッド共産主義へ」を担当されています。


コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求――ポスト・ヒューマン時代のメディア論
伊藤守編
東京大学出版会 2019年9月 本体5,000円 A5判上製296頁 ISBN978-4-13-050198-9

帯文より:コミュニケーション資本主義とは、米国の政治学者ジョディ・ディーンが提唱した概念であり、制御と資本の論理に分かちがたく結びついた、膨大な量の情報とメタデータが算出され循環する社会のことである。/コミュニケーション資本主義の4つの特徴。1.主体の発話や文字言語による投稿メッセージが「経済的なロジック」によって数として計測されること。2.「経済的ロジック」主導の情報空間の内部に極度のヒエラルヒーが構築されること。3.公開性の拡大が、「秘密」の領域を拡張するとともに、公共圏の市場化も強化していること。4.電子的ネットワーク、ソーシャルメディアが情動的ネットワークとして機能していること。

◆中井亜佐子さん(寄稿:「革命と日常」、翻訳:ジェームズ「勝利」、ともに『多様体1』所収)
◆溝口昭子さん(寄稿:「「国民未満」から対自的民衆へ」、翻訳:ドローモ「民衆と芸術家」「アフリカ人のヨーロッパ人に対する考え」、ともに『多様体1』所収)
今月刊行されたアンソロジー『イギリス文学と映画』に論考を寄稿されています。中井さんは第1部第11章「複製技術時代の〈作者の声〉」の「ジョウゼフ・コンラッドの『闇の奥』からフランシス・コッポラ監督の『地獄の黙示録』へ」を担当され、溝口さんは第1部第14章「擦れ違いの力学」のコラム9「南アフリカ英語文学は「南アフリカ英語映画」になる?」を担当されています。


イギリス文学と映画
松本朗編集責任 岩田美喜/木下誠/秦邦生編
三修社 2019年10月 本体3,200円 A5判並製408頁 ISBN978-4-384-05930-4

帯文より:〈文学〉と〈映画〉との長く複雑な関係性――二者の交錯と葛藤が生み出した、クリエイティヴな〈翻案〉の歴史を読み解く。『ハムレット』、『高慢と偏見』、『嵐が丘』などの古典から、近年の『わたしを離さないで』や『SHERLOCK』まで。


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