あるフリーエディターさんから聞いた話です。
当時の勤務先には、「ダメだダメだ、ああッ」とすぐに頭を抱えて落ち込むタイプのスタッフA君がいて、その声を聞くと部員は「また始まったか」と苦笑するのが日常でした。長かった連休明けの初日に、A君はよほど仕事がさばききれないらしく「ダメだダメだ、ああッ」を繰り返していました。しばらくトイレに閉じこもり唸っていましたが、見かねた同僚が「おい、ちょっといったん整理してみようか」と声を掛け、2人で近くの喫茶店へ出て行きました。30分後、同僚君だけ帰ってきて、社内をキョロキョロ見回しています。先輩が「なに、どうした」と聞くと「A君、帰ってきましたか」と言います。A君は喫茶店で同僚君がトイレに立った間に出て行ったらしいのです。その日は会社にとうとう戻らず、机の上に荷物を残したままでした。翌日は無断欠勤。下宿先に様子を見に行こうとした2日目、会社に退職願が速達で届きました。たぶん以前から限界だったのだと思います。ほどなくして、A君の仕事をフォローしていた同僚君と先輩もダウンし、次々に休職。しばらくは結構な修羅場が続きました。こうしたことに感覚が麻痺して慣れていった自分がある意味怖かったです。
当時の勤務先には、「ダメだダメだ、ああッ」とすぐに頭を抱えて落ち込むタイプのスタッフA君がいて、その声を聞くと部員は「また始まったか」と苦笑するのが日常でした。長かった連休明けの初日に、A君はよほど仕事がさばききれないらしく「ダメだダメだ、ああッ」を繰り返していました。しばらくトイレに閉じこもり唸っていましたが、見かねた同僚が「おい、ちょっといったん整理してみようか」と声を掛け、2人で近くの喫茶店へ出て行きました。30分後、同僚君だけ帰ってきて、社内をキョロキョロ見回しています。先輩が「なに、どうした」と聞くと「A君、帰ってきましたか」と言います。A君は喫茶店で同僚君がトイレに立った間に出て行ったらしいのです。その日は会社にとうとう戻らず、机の上に荷物を残したままでした。翌日は無断欠勤。下宿先に様子を見に行こうとした2日目、会社に退職願が速達で届きました。たぶん以前から限界だったのだと思います。ほどなくして、A君の仕事をフォローしていた同僚君と先輩もダウンし、次々に休職。しばらくは結構な修羅場が続きました。こうしたことに感覚が麻痺して慣れていった自分がある意味怖かったです。