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Channel: URGT-B(ウラゲツブログ)
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新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる本屋さん

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2017年9月15日(金)オープン
ブックスMOA大曲店:図書422坪、文具122坪、カフェ50坪
秋田県大仙市飯田字堰東219番地
日販帳合。弊社へのご発注は写真集数点。取次の発注依頼書および挨拶状によれば、大曲店は秋田県下にて「ブックスMOA」屋号で4店舗を運営している秋田トヨタが展開する5店舗目。国道105号線(大曲西道路)の飯田インターチェンジ出入口から100メートルほどの郊外に位置し、県内陸部の横手、大仙、湯沢エリアで一番店を目指すとのことです。また秋田トヨタと丸善ジュンク堂書店の連名による挨拶状には、什器レイアウト・選書・ジャンル構成・棚詰・研修に至るまで、業務提携先である丸善ジュンク堂書店の全面協力を得ているとのことです。ブックスMOAの特徴はトヨタのディーラーが併設されている点。


弊社のようなパターン配本を実施していない版元が気になるのは、今後の新刊の取り扱いについてです。同チェーンでは支店さんから新刊の事前発注が入ったことがないため、初期在庫のみのお付き合いに終わってしまいがちなのです。せっかく新規開店用に出品したものの、その先が続かないという。その辺を日販さんや書店さんには分かっていただけたら、と願っている次第です。


2017年10月28日(土)オープン
ジュンク堂書店秋田店:図書507坪
秋田県秋田市千秋久保田町4-2 秋田オーパ 6F
トーハン帳合。弊社へのご発注は芸術書および人文書の主要商品。今年2月26日に閉店した旧秋田店でしたが、秋田フォーラスが耐震工事によって秋田オーパへと生まれ変わるのに伴い、6Fに出店。丸善ジュンク堂書店の挨拶状によれば、「再オープンに際しまして売場が2フロアから1フロアになり売場面積が643坪から507坪に変更となりますが基本コンセプトは変更することなく専門書をはじめとした商品の充実を計り、地域一番の品揃えを目指」すとのことです。営業時間は10時から21時。


少し気掛かりなのは、発注された書目が、近年のものを中心としており、ロングセラーが一部バッサリと抜けていることです。らしくない感じがするものの、この辺は追加のご発注があることを祈るほかありません。


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このほか、短冊のみのご発注では福岡市の六本松蔦屋書店さんや、中央区日本橋のHAMA HOUSEさんから芸術書のご発注を頂戴しました。


前者の六本松蔦屋書店は、「西日本新聞」2017年2月2日付記事「六本松九大跡地に「蔦屋書店」と「ボンラパス」 今秋開業、JR九州が発表」によれば、JR九州は福岡市中央区六本松の九州大キャンパス跡地に複合ビルと分譲マンションを建設中で、複合施設の低層棟である「六本松421」(10月オープン予定)の1Fにスーパー「ボンラパス」、2Fに蔦屋書店や学童保育施設やクリニック、3Fに九州大学法科大学院、5Fに福岡市科学館が入るそうです。



後者のHAMA HOUSEは、株式会社good morningsがプロデュースする「街のリビング」を目指すと謳う複合施設の名称で、一階は書店兼カフェ、二階はキッチンスタジオ兼オフィス、三階はスモールオフィスからなる、 三階建ての拠点とのことです。安田不動産のプレスリリースによれば9月9日オープン。


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一方、閉店情報も入ってきています。8月31日で閉店するのは大阪屋栗田帳合のブックカフェ「BOWL」の富士見店(125坪、2015年4月10日開店)と海老名店(172.52坪、2015年10月29日開店)の2店舗。素敵なお店だっただけに2年での撤退は残念です。日本紙パルプ商事の子会社でBOWLの経営主体である「リーディングポートJP」はどうなるのでしょうか。また、BOWLの運営主体である大阪屋栗田の子会社「リーディングスタイル」が手がけるブックカフェでは、すでにソリッド・アンド・リキッドテンジンが今年1月15日に閉店しており、同町田店は昨年8月5日にコミコミ・スタジオとしてリニューアルしています(参照:「町田経済新聞」2016年8月6日付記事「町田の書店「ソリッド・アンド・リキッド」改装 ボーイズラブ作品に特化」)。そして今月末BOWLの2店舗が閉店と。なんとなく嫌な流れではあります。あれだけきれいに作り込んでも継続困難なら、そもそも巨大SC内のブックカフェに未来はあるのか、と思わなくもないです。



ちなみに今日の「朝日新聞」ではこんな記事が出ました。2017年8月24日付、赤田康和・塩原賢氏記名記事「書店ゼロの自治体、2割強に 人口減・ネット書店成長…」です。曰く「書店が地域に1店舗もない「書店ゼロ自治体」が増えている。出版取次大手によると、香川を除く全国46都道府県で420の自治体・行政区にのぼり、全国の自治体・行政区(1896)の2割強を占める。「文化拠点の衰退」と危惧する声も強い」と。
 
「トーハン(東京)の7月現在のまとめによると、ゼロ自治体が多いのは北海道(58)、長野(41)、福島(28)、沖縄(20)、奈良(19)、熊本(18)の順。〔・・・〕全国の書店数は1万2526店で、2000年の2万1654店から4割強も減った(書店調査会社アルメディア調べ、5月現在)。人口減や活字離れがあるほか、書店の売り上げの6~7割を占める雑誌の市場規模は10年前の6割に縮小。紙の本の市場の1割を握るアマゾンなど、ネット書店にも押される。経営者の高齢化やコンビニの雑誌販売なども影響する。日本出版インフラセンターの調査では、過去10年で299坪以下の中小書店は減少したものの、300坪以上の大型店は868店から1166店に増加。書店の大型化が進む」。


実際のところ砂漠化が進んでいるのは地方だけではなく、東京都下でもどんどん街ナカ書店が閉店しています。また、大型書店が増えているとはいえ、本の売上は増えていませんから、大ざっぱに言えば、売上が回復していないのに無理やり大型書店を作っている、という状況が続いているわけです。


記事では続けて、「街の書店は、子どもが絵本や児童文学を通じて活字文化の魅力に接する場であり、ネットが苦手な人の情報格差を埋める機能もある。地方都市では地域の人が集い交流する場でもあった。手にとって未知の本を読み、関心の領域を広げる機会も得られる」という風に、書店の社会的役割を指摘し、文字・活字文化推進機構副会長の作家、阿刀田高さんの「書店は紙の本との心ときめく出会いの場で、知識や教養を養う文化拠点。IT時代ゆえに減少は避けられないが、何とか残していく必要がある」というご発言で記事を締めくくっています。


本屋を何とかなくしたくない、という思いは多くの出版人が共有するものかと思いますが、文化拠点としての書店は図書館のように行政が支えるものではなく、市民が直接支えるものなので、商売にならない場合はたちまち消え去っていくのだということを覚悟する必要があると思います。


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