上村忠男さん(訳書:カッチャーリ『抑止する力』、アガンベン『到来する共同体』、パーチ『関係主義的現象学への道』、スパヴェンタほか『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』、共訳書:アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』『涜神』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』)
ヘイドン・ホワイト(Hayden White, 1928-)の主要論考7本を編んで1冊とした日本語版オリジナル論集の訳書をご刊行されました。編訳者あとがきによれば、本書は、『メタヒストリー――19世紀ヨーロッパの歴史的想像力』(1973年)の後に刊行された3冊の批評論集である『言述の喩法』(1978年)、『形式の内容』(1987年)、『フィギュラル・リアリズム』(1999年)のなかから、主要な論考を選んで訳出したもので、編訳を担当された上村さんが各論文の解題や、巻末解説をお書きになっておられます。『メタヒストリー』は岩崎稔監訳で作品社さんより続刊予定とのことです。なおホワイトの著書の展開場所ですが、歴史書売場でカルロ・ギンズブルグを扱っていらっしゃる書店さんはその隣に置かれると良いかもしれません。ギンズブルグとホワイトの対立については後段で言及する『アウシュヴィッツと表象の限界』をご参照ください。
歴史の喩法――ホワイト主要論文集成
ヘイドン・ホワイト著 上村忠男編訳
作品社 2017年4月 本体3,200円 46判上製305頁 ISBN978-4-86182-635-1
帯文より:“メタヒストリー”によって歴史学に革命的転換をもたらしたヘイドン・ホワイト――その全体像を理解するための主要論文を一冊に編纂。
目次:
日本の読者のみなさんへ(ヘイドン・ホワイト)
第1章 歴史という重荷〔The Burden of History. 初出1966年、『言述の喩法』収録〕
第2章 文学的製作物としての歴史的テクスト〔The Historical Text as Literary Artifact. 初出1974年、『言述の喩法』収録〕
第3章 歴史の喩法――『新しい学』の深層構造〔The Tropics of History: The Deep Structure of the New Science. 初出1976年、『言述の喩法』所収〕
第4章 現実を表象するにあたっての物語性の価値〔The Value of Narrativity in the Representation of Reality. 初出1980年、『形式の内容』所収〕
第5章 歴史的解釈の政治――ディシプリンと脱崇高化〔The Politics of Historical Interpretation: Discipline and De-Sublimation. 初出1982年、『形式の内容』所収〕
第6章 歴史のプロット化と歴史的表象における真実の問題〔Historical Emplotment and the Problem of Truth in Historical Representation. 初出1992年、『フィギュラル・リアリズム』所収〕
第7章 アウエルバッハの文学史――比喩的因果関係とモダニズム的歴史主義〔Auerbach's Literary History: Figural Causation and Modernist Historicism. 初出1996年、『フィギュラル・リアリズム』所収〕
編訳者による解題
解説「ヘイドン・ホワイトと歴史の喩法」(上村忠男)
編訳者あとがき
なお、第4章「現実を表象するにあたっての物語性の価値」には以下の既訳があります。海老根宏・原田大介訳『物語と歴史』(《リキエスタ》の会、2001年;初出「歴史における物語性の価値」、W・T・J・ミッチェル編『物語について』所収、平凡社、1987年)。また、第6章「歴史のプロット化と歴史的表象における真実の問題」はもともと、ソール・フリードランダー編『アウシュヴィッツと表象の限界』(未來社、1994年)に上村さん自身の訳で「歴史のプロット化と真実の問題」という題名で収録されています。
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ヘイドン・ホワイト(Hayden White, 1928-)の主要論考7本を編んで1冊とした日本語版オリジナル論集の訳書をご刊行されました。編訳者あとがきによれば、本書は、『メタヒストリー――19世紀ヨーロッパの歴史的想像力』(1973年)の後に刊行された3冊の批評論集である『言述の喩法』(1978年)、『形式の内容』(1987年)、『フィギュラル・リアリズム』(1999年)のなかから、主要な論考を選んで訳出したもので、編訳を担当された上村さんが各論文の解題や、巻末解説をお書きになっておられます。『メタヒストリー』は岩崎稔監訳で作品社さんより続刊予定とのことです。なおホワイトの著書の展開場所ですが、歴史書売場でカルロ・ギンズブルグを扱っていらっしゃる書店さんはその隣に置かれると良いかもしれません。ギンズブルグとホワイトの対立については後段で言及する『アウシュヴィッツと表象の限界』をご参照ください。
歴史の喩法――ホワイト主要論文集成
ヘイドン・ホワイト著 上村忠男編訳
作品社 2017年4月 本体3,200円 46判上製305頁 ISBN978-4-86182-635-1
帯文より:“メタヒストリー”によって歴史学に革命的転換をもたらしたヘイドン・ホワイト――その全体像を理解するための主要論文を一冊に編纂。
目次:
日本の読者のみなさんへ(ヘイドン・ホワイト)
第1章 歴史という重荷〔The Burden of History. 初出1966年、『言述の喩法』収録〕
第2章 文学的製作物としての歴史的テクスト〔The Historical Text as Literary Artifact. 初出1974年、『言述の喩法』収録〕
第3章 歴史の喩法――『新しい学』の深層構造〔The Tropics of History: The Deep Structure of the New Science. 初出1976年、『言述の喩法』所収〕
第4章 現実を表象するにあたっての物語性の価値〔The Value of Narrativity in the Representation of Reality. 初出1980年、『形式の内容』所収〕
第5章 歴史的解釈の政治――ディシプリンと脱崇高化〔The Politics of Historical Interpretation: Discipline and De-Sublimation. 初出1982年、『形式の内容』所収〕
第6章 歴史のプロット化と歴史的表象における真実の問題〔Historical Emplotment and the Problem of Truth in Historical Representation. 初出1992年、『フィギュラル・リアリズム』所収〕
第7章 アウエルバッハの文学史――比喩的因果関係とモダニズム的歴史主義〔Auerbach's Literary History: Figural Causation and Modernist Historicism. 初出1996年、『フィギュラル・リアリズム』所収〕
編訳者による解題
解説「ヘイドン・ホワイトと歴史の喩法」(上村忠男)
編訳者あとがき
なお、第4章「現実を表象するにあたっての物語性の価値」には以下の既訳があります。海老根宏・原田大介訳『物語と歴史』(《リキエスタ》の会、2001年;初出「歴史における物語性の価値」、W・T・J・ミッチェル編『物語について』所収、平凡社、1987年)。また、第6章「歴史のプロット化と歴史的表象における真実の問題」はもともと、ソール・フリードランダー編『アウシュヴィッツと表象の限界』(未來社、1994年)に上村さん自身の訳で「歴史のプロット化と真実の問題」という題名で収録されています。
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