弊社出版物でお世話になっている著者の方の最近のご活躍をご紹介します。
★近藤和敬さん(著書:『カヴァイエス研究』、訳書:カヴァイエス『論理学と学知の理論について』)
2013年度から2015年度までの3年間にわたって「フランス・エピステモロジーの伏流としてのスピノザ」という共同研究の成果をまとめた編著書を上梓されました。巻頭の「スピノザ人物相関図」は力作で、スピノザ(Baruch De Spinoza, 1632-1677)の死後からこんにちにいたるまでの影響関係がコンパクトにまとめられています。書店員さん必見かと。
主体の論理・概念の倫理――二〇世紀フランスのエピステモロジーとスピノザ主義新刊
上野修・米虫正巳・近藤和敬編
以文社 2017年2月 本体4,600円 A5判上製476頁 ISBN978-4-7531-0338-6
目次:
スピノザ人物相関図
序(上野修)
第一部〈概念〉
導入 カヴァイエス、エピステモロジー、スピノザ(近藤和敬)
【コラム】ジャン・カヴァイエス(近藤和敬)
第一章 一つの哲学的生成――ブランシュヴィックからカヴァイエスへ(中村大介)
【コラム】レオン・ブランシュヴィック(中村大介)
第二章 ジャン・カヴァイエス――概念の哲学 その下部構造の諸要素(ウーリヤ・ベニス=シナスール/近藤和敬訳)
第三章 カヴァイエスとスピノザ『エチカ』のあいだに見出しうる一つの関係――カヴァイエスはなぜ『公理的方法と形式主義』の口頭試問でスピノザの加護を求めたのか(近藤和敬)
第四章 ヴュイユマン『代数学の哲学』とスピノザ『エチカ』の幾何学的秩序(原田雅樹)
【コラム】ジュール・ヴュイユマン(原田雅樹)
第二部〈主体〉
導入 エピステモロジーと精神分析――ラカン、ドゥサンティ、スピノザ(上野修)
【コラム】ルイ・アルチュセール(上尾真道)
第一章 構造と主体の問い――『分析手帖』という「出来事」(坂本尚志)
【コラム】ジャック=アラン・ミレール/ジャン=クロード・ミルネール/アラン・バディウ(坂本尚志)
第二章 ラカンの「エピステモロジー」における真理の探究について(上尾真道)
【コラム】ジャック・ラカン(信友建志)
第三章 ラカンにおけるスピノザのプレゼンス(上野修)
第四章 ラカンと数理論理学――フランス現代思想におけるスピノザ受容の一側面として(信友建志)
第五章 概念の哲学・精神分析・生命の哲学の知られざる結節点――ドゥサンティとそのスピノザ主義について(米虫正巳)
【コラム】ジャン=トゥサン・ドゥサンティ(米虫正巳)
第三部〈生〉
導入 生命のエピステモロジーとスピノザ主義(米虫正巳)
第一章 概念の哲学から生命の哲学へ――カンギレムによるスピノザ主義の展開(藤井千佳世)
【コラム】ジョルジュ・カンギレム(藤井千佳世)
第二章 カンギレムとヘーゲル――概念の哲学としての生命の哲学(坂本尚志)
第三章 ドゥルーズにとってのスピノザ――『エチカ』の意味論的解釈をめぐって(朝倉友海)
【コラム】ジル・ドゥルーズ(朝倉友海)
第四章 構成主義としての哲学と内在としての生――ドゥルーズ/スピノザとゲルー/フィヒテ(米虫正巳)
【コラム】マルシアル・ゲルー(米虫正巳)
第四部〈現在〉
第一章 現代英語圏におけるスピノザ読解――分析形而上学を背景にした、スピノザの必然性概念をめぐる側面的考察(木島泰三)
鼎談 総括と展望(上野修・米虫正巳・近藤和敬)
欧語文献
邦語文献
人名索引
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注目新刊:上野・米虫・近藤編『主体の論理・概念の倫理』以文社
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