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備忘録(20)

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◆2016年2月12日16時現在。
TRCブックポータルの「メンテナンス・障害情報」に「運営終了のお知らせ」が上がっており、各方面で話題となっています。曰く、「TRCブックポータルは、これまで皆様のあたたかいご支援のもと事業をつづけてまいりましたが、 このたび、諸般の理由により、2016年3月をもちまして運営を終了させていただくこととなりました。〔・・・〕2016年2月5日:書評投稿受付終了、2016年3月15日:ご注文受付終了、2016年3月25日:サイトクローズ」と。日付がありませんが、2月3日頃のリリースのようです。「諸般の理由」というのを知りたいところですが・・・。猫の泉さんがこれまでの経緯をツイッターの投稿で簡略に図式化しておられます。

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◆2月12日17時現在。
太洋社帳合の友朋堂さんが小売店舗各支店を昨日と今日いっぱいで閉店し、店売部門を終了されるというニュースに驚かれている方が多いここと拝察します(私もそうです)。つくば市にお住まいの方、通勤通学の方から、惜しむ声が上がっています。太洋社の自主廃業発表(2月8日)からわずか3日の11日(木・祝)に吾妻店が閉店、そして今日12日には梅園店と桜店が閉店となります。

「新文化」2月12日付記事「友朋堂書店(茨城・つくば市)、3店を閉店」に曰く「2月8日に開かれた太洋社の説明会の後、事業を継続しようと他取次会社と帳合変更の交渉をしたが、条件面で合意できず全3店の閉店を決めた。同社の柳橋治社長は「廃業はしない。教科書販売と外商を続けていく」と話している」と。

「ITmediaニュース」2月12日付速報「つくば市の書店「友朋堂書店」、全店舗閉鎖」に曰く「書籍やコミック、雑誌、参考書などを販売し、筑波大学生や周辺住民に親しまれていたが、近年は活字離れや電子書籍との競合などから経営環境は悪化していた。主力取引先である出版取次の太洋社が自主廃業の準備に入ったことも影響し、店頭小売業からの撤退を決めたという」。

また、「日刊常陽新聞」でも2月12日付記事「つくば・友朋堂書店、突然の閉店 取次店廃業受け」やfacebookやツイッターで報じています。吾妻店店頭の張紙、同店の最終日に訪れる親子連れ、灯台のように夜空に輝く「本」のネオン、そして今日のシャッター前の写真。

友朋堂さん自身による記者クラブへのプレスリリース(2月12日付「株式会社友朋堂書店の閉店と現状のご報告」代表取締役社長・柳橋治さん記名)も店員さんのツイッターで公開されています。曰く「今回の閉店は出版取次会社太洋社の平成28年2月8日の自主廃業の発表に伴い、商品の供給が難しくなり店舗営業の継続の困難が予想されることからの苦渋の決断となりました。ここにご報告申し上げます。/閉店に伴い書店での店頭販売は終了いたしますが、株式会社友朋堂書店の業務は継続いたします。各学校への文部科学省検定教科書の供給および各種法人への外商業務は引き続き行います」と。

情報発信や問合せ受付をツイッターで続けてこられた吾妻店の徳永直良さんはご自身の公休日である10日午前中に「うーん。不調に終わったらしい」との意味深な呟きを投稿されています。そのあとついに「【友朋堂】お知らせ。友朋堂吾妻店は2/12(金)を持ちまして店頭営業を終了いたします。2/11(木)が最終の営業日となります。お客様方にはご迷惑おかけします。桜店・梅園店に関しては現時点では未定です。詳細がわかりましたらツイートいたします。永らくのご愛顧ありがとうございました」とのご投稿。これが第一報でした。読んで思わず「えっ?」と大きな声が出たのを思い出します。その後のツイートには淡々とした中にも暖かな温もりがありました。いくつかピックアップします。

「つくばには新しいブックストアも増えてます。天久保の大学ループのローソンから東大通りのセブン-イレブンの間の通りが賑やかになってます。PEOPLE BOOKSTORE の植田浩平さんです。 @mojohey」
「おはようございます。晴れのつくば。今日は朝から仕事です。」
「友朋堂吾妻店、本日は通常通り朝10時から夜10時まで営業です。お客様にはご迷惑おかけしますが、参考書売り場で作業が行われる予定です。」
「友朋堂各店は教科書取扱店です。吾妻店店頭営業終了後も学校への教科書納品、お取引いただいてる法人のお客様への外商は継続営業いたします。」
「昨夜は時間があったので返信頂いた方々になるべくお返事してたのですが、今朝は時間がなくてゆっくりひとつひとつはお返事できなくてすみません。」
「一昨日、店のエプロンのボタンが外れたので家に持ち帰って奥さんにつけてもらった。昨日は勤務休み。今日のためのボタン付け。」
「うちの奥さん「吾妻店閉店したの、ベッキー・SMAP・清原と同じ年だったね。って後から思い出すよね」と語る。」
「本日、お近くのでお時間あれば、ぜひ友朋堂吾妻店へご来店くださいませ。さて、行ってきます。」
「【友朋堂吾妻店】お知らせ。友朋堂吾妻店は本日2/11(木)22時で閉店、店頭営業を終了いたします。2/12(金)空は店頭営業せず、閉店となります。現在22時の閉店時間まで文具全品20%引きで販売しています。お近くでお時間あるかたはご来店ください。お暗い中なのでお気をつけて。」
「【友朋堂桜店・梅園店】【閉店のお知らせ】友朋堂桜店・梅園店は明日2/12(金)までの営業となります。書籍の販売は2/12(金)が最終となります。一旦閉店後に文具等の在庫販売を予定しています。2/12(金)は桜・梅園両店とも終日文具を現在の店頭価格からの20%引きで販売いたします。」
「【友朋堂吾妻店】友朋堂吾妻店、閉店いたしました。本日はたくさんのお客様にお出でいただき、お声かけていただき、シャッター前で閉店を見送ってもいただき、本当にありがとうございました。長年に渡りご愛顧頂いたお客様に感謝の気持ちと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。」

こみあげてくる涙をこらえつつ読みました。普段よりずいぶんお忙しいはずですが、徳永さんはこのあともツイートを続けておられ、取次の営業担当の方を「取次担当の方もお疲れの様子だった。ちゃんと食べてちゃんと寝てるのか気になる。」と気遣ってすらおられます。

出版人からもツイートが寄せられています。neisan2014.04さん曰く「H社で書店営業をしていた20年以上前、私は北関東担当で茨城に行くときはつくばの友朋堂吾妻店と丸善大学会館店に行くのが楽しみだった。友朋堂は郊外店なのに専門書がとても充実していて営業のし甲斐があった。さすが筑波。長い間お疲れ様でした。」。夏葉社さん曰く「友朋堂書店さんの閉店を偶然知り、お店へ。太洋社廃業のあおりを受けて、突然の閉店とのこと。なぜ今まで来ていなかったのかと悔いる、素晴らしい品揃え。お客さん、いっぱいでした。」。店内の写真が添えられていますが、こんなにも岩波文庫に棚を割いているお店は、私の住む地域には皆無です。正直、うらやましい。

先の「新文化」記事には「11日の吾妻店閉店後、宮崎篤店長は、店外で待ち受けていた来店者に感謝の意を伝え「またお店を再建できたら」と挨拶した」とも伝えられています。再びリアル店舗を再開される日を待ち望まれる方もいらっしゃることでしょう。同書店の桜店は本日23時、梅園店は本日22時で閉店とのことです。facebook上には「友朋堂にメッセージを伝えよう!」というコミュニティが立ち上がっています。

漫画家・イラストレーターの木野陽さんが昨晩投稿された短編「友朋堂書店さんのこと」もまた、涙を誘います。「・・・ああ  本屋さんって人の集まるところだったんだーー」。その通りです。本と本、本と人、人と人が出会うリアルな場所であり、そうやって次々に生まれるつながりが新たな創造性の明日へと人を導くような人生の劇場であり、そして今後も、そうあり続けるのだと思います。そう信じています。

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◆2月12日18時現在。
株式会社TSUTAYAの2月5日付ニュースリリース「「復刊プロデュース文庫」、9日より本格スタート! 全国のTSUTAYA'目利き'書店員(レコメンダー)が選ぶ、復刊プロジェクト始動」に曰く、「~書店員が選んだ「今、本当にオススメしたい文庫」恋愛部門第1位、ついに復刊~「復刊プロデュース文庫」、9日より本格スタート! 全国のTSUTAYA'目利き'書店員(レコメンダー)が選ぶ、復刊プロジェクト始動」と。

より詳しくは「全国で約835店舗の「TSUTAYA BOOKS」「蔦屋書店」を展開する株式会社TSUTAYA(本社/東京都渋谷区 代表取締役社長/増田宗昭)は、『TSUTAYAが「本との出会い」を変える。』をコンセプトに、すでに絶版となった本を全国のTSUTAYA書店員が選定し、復刊を行うプロジェクト「復刊プロデュース文庫」を開始いたしました。その第一弾として、『九月の恋と出会うまで』(双葉社)を、2016年2月9日より順次発売開始いたします」とのこと。

書店主導型の文庫復刊はほかのチェーンでも時折見かけますが、こうした試みは今後もどんどん続いていってほしいと思います。どんな品切本を復刊させるべきか、一番よくご存知なのは、版元営業マン以上に書店員さんだからです。

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