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「文化通信」2016年9月13日付記事「DNP、文教堂GHD株式の一部を日販に譲渡へ」によれば、大日本印刷が持つ株式の一部と丸善ジュンク堂書店が持つ全株式を日販に10月31日付で譲渡する契約を昨日結んだ、と。これにより日販が文教堂の筆頭株主となる、とのことです。DNPは本件に対し、以下のようにコメントしたと報じられています。「文教堂と日販の関係を強化することが、これまで進めてきた出版流通市場における一層の協業関係の推進と市場の活性化のために効果的であると判断」し、「株式譲渡後もDNPグループ及び文教堂は、honto事業をともに推進することで認識が一致しており、引き続き良好な協業関係のもと、新たな商品サービスの開発に取り組む」。
いっぽう「新文化」でも9月13日付記事「日販、文教堂の筆頭株主に」や、同日付続報「日販と文教堂が業務提携へ」が掲出されています。後者の記事によれば、「アニメ関連のオリジナル・PB商品など書籍・雑誌を効率的に販売するための複合商品の研究・開発、経営効率に優れた店舗モデル開発、販売データの活用・共有化およびシステム整備を進める」とあります。
また、「日本経済新聞」9月13日付記事「大日本印刷、文教堂株を日販に売却 28% 売却益16億円」では、全国に約200店舗ある文教堂の三期連続営業赤字についてや、メイン帳合がトーハンから日販へと変更される可能性について言及しています(普通に考えれば帳合変更となることでしょう)。
このほか関連記事には以下のものがあります。
「ITビジネスオンライン」9月12日付記事「書店チェーンの文教堂、日販が筆頭株主に DNPグループが株式売却――書店チェーンの文教堂の筆頭株主が日販に」
「M&Aタイムス」9月13日付記事「大日本印刷、子会社の株式譲渡 日販及び文教堂との関係強化」
「Market Newsline」9月13日付記事「文教堂、日本出版販売と業務提携・アニメ関連商品の共同開発へ」
「ITビジネスオンライン」が記事末尾でさらりとトーハン(八重洲BC)の件に触れている通り、今回の件は二大取次の熾烈なシェア争いが依然として続いていることを示しています。DNPは丸善ジュンク堂書店を通じてトーハンとも付き合いがあるわけで、こうした駆け引きには驚かされます。トーハンは傘下の中堅取次である中央社が「アニメイト」と取引しており、その「アニメイト」と競合せざるをえない文教堂のホビー部門である「文教堂Hobby」や、サブカル部門の「アニメガ」をDNPグループとしてはもう少し成長させたかったので、日販を選んだ、ということなのでしょうか。
・・・それにしても丸善ジュンク堂の戸田書店との提携については続報がまるで出ません。なぜだ・・・。
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