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注目新刊:バーバラ・ジョンソン『批評的差異』法政大学出版局、ほか

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批評的差異――読むことの現代的修辞に関する試論集
バーバラ・ジョンソン著 土田知則訳
法政大学出版局 2016年7月 本体3,400円 四六判上製290頁 ISBN978-4-588-01046-0

★発売済。ポール・ド・マンの弟子でありイェール学派第2世代のキーパーソンであるバーバラ・ジョンソン(Barbara Johnson, 1947-2009)の代表作、The Critical Difference: Essays in the Contemporary Rhetoric of Reading (The Johns Hopkins University Press, 1980)です。目次詳細は書名のリンク先をご覧下さい。ジョンソンの訳書は、『差異の世界――脱構築・ディスクール・女性』(原著1987年;大橋洋一・青山恵子・利根川真紀訳、紀伊國屋書店、1990年)、『詩的言語の脱構築――第二ボードレール革命』(原著1979年;土田知則訳、水声社、1997年)に続く3冊目。約20年ぶりの訳書であり、原著刊行から数えると36年目の翻訳となります。また訳者の土田さんにとってはジョンソンの訳書を手掛けるのはこれで2冊目です。

★ジョンソンは緒言でこう書いています。「取り扱われる主な対立は以下のとおりである。男性/女性、文学/批評(第一章)、セクシュアリティ/テクスチュアリティ(第二章)、散文/韻文、オリジナル/反復(第三章)、詩/理論、行為遂行的/事実確認的、言及/自己-言及(第四章)、明瞭/不明瞭、科学/文学、統辞論/意味論(第五章)、純真/皮肉、殺人/過失、犯罪者/犠牲者/裁定者(第六章)、そして最後は、文学/精神分析/哲学、および、これにともなうあらゆる二項および三項対立。また、差異が解釈に介入する方法にこうした数方程式を適用できるのか、という議論も含まれることになるだろう(第七章)」(xi-xii頁)。また、こうも書いています。「本書は、現代のいわゆる脱構築的批評理論によって提示された諸問題に正面から立ち向かおうとする一読者の苦闘の記録でもある」(xiii頁)。

★さらに「本書全般にわたって関心の対象になるものがもしあるとすれば、それはおそらく、文学ないしは理論の内で未知のものが立ち働いている、ということの重要性である。未知のものとは断じて否定的=消極的な要因あるいは不在の因子ではなく、往々にして、意味の展開の背後にある不可視の誘導力なのだ。無知、盲目、不確実、誤読といったものの力は、恐るべきものとして認識されていないだけに、しばしば、いっそう恐るべきものになる。文学は未知のものに最も余念のない言説だと、私には思える」(xiv頁)。土田さんは訳者あとがきで本書に対する深い愛着を述べるとともにこう印象を綴っておられます。「ジョンソンの仕事は抜きんでた知性の輝きを放っていた。中でも本書は別格だった。ポール・ド・マンの書物には読者の理解を拒むような敷居の高さがあるが、本書にはそれがほとんど感じられない」(271頁)。帯文にあるように読者は本書を通じて「イェール学派の真髄」に接することになるでしょう。まさに記念碑的な訳書です。

★なお、法政大学出版局さんではここしばらく次々と重要書を刊行されていることは周知の通りです。

『市民力による防衛――軍事力に頼らない社会へ』ジーン・シャープ著、三石善吉訳、法政大学出版局、2016年7月、本体3,800円、四六判上製334頁、ISBN978-4-588-60344-0 C0331
『レヴィナス著作集 2 哲学コレージュ講演集』エマニュエル・レヴィナス著、ロドルフ・カラン/カトリーヌ・シャリエ監修、藤岡俊博/渡名喜庸哲/三浦直希訳、法政大学出版局、2016年7月、本体4,800円、A5判上製424頁、ISBN978-4-588-12122-7
『実在論を立て直す』ヒューバート・ドレイファス/チャールズ・テイラー著、 村田純一監訳、染谷昌義/植村玄輝/宮原克典訳、法政大学出版局、2016年6月、本体3,400円、四六判上製304頁、ISBN978-4-588-01045-3
『真理と正当化――哲学論文集』ユルゲン・ハーバーマス著、三島憲一/大竹弘二/木前利秋/鈴木直訳、法政大学出版局、2016年6月、本体4,800円、四六判上製476頁、ISBN978-4-588-01044-6

★さらに来月には以下の新刊が予告されています。盟友だった二人の故人――デリダさんと豊崎さんの対話本であり、世界初の書籍化となるそうです。

『翻訳そして/あるいはパフォーマティヴ――脱構築をめぐる対話』ジャック・デリダ/豊崎光一著/豊崎光一訳/守中高明監修、法政大学出版局、2016年9月、本体2,000円、四六判上製182頁、ISBN978-4-588-01048-4

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★また、最近では以下の書籍との嬉しい出会いがありました。

『ヘリオガバルス――あるいは戴冠せるアナーキスト』アントナン・アルトー著、鈴木創士訳、河出文庫、2016年8月、本体800円、240頁、ISBN978-4-309-46431-2
『輝ける都市』ル・コルビュジエ著、白石哲雄訳、河出書房新社、2016年7月、本体10,000円、B4変形判上製352頁、ISBN978-4-309-27621-2
『エリュトラー海案内記2』蔀勇造訳註、東洋文庫、2016年8月、本体3,100円、B6変型判上製函入376頁、ISBN978-4-582-80874-2
『宗教現象学入門――人間学への視線から』華園聰麿著、平凡社、2016年8月、本体3,400円、4-6判上製312頁、ISBN978-4-582-70353-5
『藤田嗣治 妻とみへの手紙 1913-1916 上巻 大戦前のパリより』藤田嗣治著、林洋子監修、加藤時男校訂、人文書院、2016年7月、本体8,500円、A5判上製302頁、ISBN978-4-409-10036-3
『藤田嗣治 妻とみへの手紙 1913-1916 下巻 大戦下の欧州より』藤田嗣治著、林洋子監修、加藤時男校訂、人文書院、2016年8月、本体8,500円、A5判上製348頁、ISBN978-4-409-10037-0
『少年少女のための文学全集があったころ』松村由利子著、人文書院、2016年7月、本体1,800円、4-6判並製192頁、ISBN978-4-409-16098-5
『デザイン史――その歴史、理論、批評』藪亨著、作品社、2016年8月、本体3,000円、A5判上製297頁、ISBN978-4-86182-561-3
『歴史としての社会主義――東ドイツの経験』川越修/河合信晴編著、ナカニシヤ出版、2016年7月、本体4,200円、A5判上製296頁、ISBN978-4-7795-1080-9

★アルトー『ヘリオガバルス』(仏語原著1934年刊)は、多田智満子訳(白水社、1977年;白水uブックス、1989年;『アントナン・アルトー著作集Ⅱ』1996年)以来の新訳。河出文庫でのアルトー作品は、『神の裁きと訣別するため』(宇野邦一/訳、河出文庫、2006年7月;鈴木創士訳「ヴァン・ゴッホ 社会による自殺者」を併載)以来、実に10年ぶり。カヴァー裏紹介文はこうです。「未来を震撼させる巨星アルトーのテクスト群に「比類なき仕方で君臨する」(ドゥルーズ)名著『ヘリオガバルス』を第一人者が新訳。14歳で即位して18歳で惨殺されたローマ少年皇帝の運命に究極のアナーキーを見出し、血塗られた歴史の深部に非有機的生命=「器官なき身体」の輝きを開示する稀代の奇書にして傑作が新たな訳文によってよみがえる」。目次は以下の通り。バッシアヌス一族の系図、献辞、第一章「精液の揺り籠」、第二章「諸原理の戦争」、第三章「アナーキー」、補遺1「イルシューの分裂」、補遺2「シリアにおける太陽の宗教」、補遺3「ラムの黄道十二宮」、注、訳者あとがき。補遺は原著に収録されているテクストですが、今般初めて訳されるものです。

★ヘリオガバルスがアナーキストたる所以は例えば次のように描写されています。「ヘリオガバルスがおし進める地点におけるアナーキーとは、現実化された詩なのである。/どんな詩のなかにも本質的な矛盾がある。詩とは、粉砕されてめらめらと炎をあげる多様性である。そして秩序を回復させる詩は、まず無秩序を、燃えさかる局面をもつ無秩序を蘇らせる。それらはこれらの局面を互いに衝突させ、それを唯一の地点に連れ戻す。〔・・・〕その実在そのものが秩序への挑戦である世界のなかに詩と秩序を連れ戻すことは、〔・・・〕諸事物と諸局面のアナーキーである名前なきひとつのアナーキーを取り戻すことであるが、それら事物と局面は、統一性のなかにあらためて沈み込み、融合してしまう前に覚醒するのである。だがこの危険なアナーキーを目覚めさせる者はつねにその最初の犠牲〔いけにえ〕である」(157-158頁)。

★ル・コルビュジエ『輝ける都市』は発売済。原書は1935年に刊行された、La ville radieuseです。ル・コルビュジエによる最初の都市論の待望の初訳です。類似の訳書名に坂倉準三訳『輝く都市』(SD選書、鹿島出版会、1968年)がありますが、こちらはManière de penser l'urbanisme(1947年)の翻訳で、今回の『輝ける都市』とは別物です。ちなみに『輝く都市』の旧版あとがきで坂倉さんはこう書いておられます。「この“都市計画の考え方”は、彼の“輝く都市”理論の解説であり、またようやく決定版でもある」と。他方、今回の『輝ける都市』はル・コルビュジエの都市論の原点で、原書通りの判型で訳書も作られています。大判のこのヴォリューム、さらに図版多数で1万円というのは、さすが河出さんです。内容見本によれば、豊富な図版コラージュや斬新なレイアウトはコルビュジエ自身の手によるものであり、訳書では彼の本文デザインを損なうことなく日本語に置き換えた、とのことです。これは同業者なら存外に難しい課題であるとただちに理解できるものです。漢字仮名まじり文はアルファベットの文字列のようなシンプルさを持ち合わせていないので、下手をすればたちまちバランスが崩れてしまいます。しかし訳書の装丁と組版を担当された松田行正さんと杉本聖士さんは破綻なく日本語版をまとめておられ、目を瞠るばかりです。

★主な目次は以下の通り。第1部「前提」、第2部「現代の技術」、第3部「新たな時代」、第4部「“輝ける都市”」、第5部「プレリュード」、第6部「諸計画」、第7部「農村部の再編成」、第8部「結論」、あとがき、「「輝ける都市」を読んで」(槇文彦)、「失われた精神の輝きが蘇る」(伊東豊雄)、監訳者あとがき。槇さんはこう書いておられます。「「輝ける都市」は〔・・・ル・コルビュジエの〕都市計画、すなわちアーバニズムへの世界観を、それも単なる思想だけでなく、その具体的な三次元の空間論までも含めた一つの壮大な結晶体」(348頁)だと。一方、伊藤さんはこう書かれています。「人間への愛情に満ちた目線〔・・・〕。古い習慣からの解放と新しい自由の獲得。〔・・・〕経済万能の世界に変わっても、この書はすべての建築家の中に失われた精神の輝きを蘇らせてくれる」(350頁)。そしてコルビュジエはこう書きます。「人間の本質に立ち返る道を見つけなければならない。〔・・・〕人間を目覚めさせるのだ。その心を捉え、活気づけ、鼓舞するのだ。無気力だった人間を活動的な人間へと変えるのだ。消極的だった人間を参加させるのだ。〔・・・〕彼自身の奥底に眠っている創造的な行為にだ。不毛な消費で気を紛らすのはやめるんだ」(151頁)。『輝ける都市』は今も変わらぬ情熱の熱線を放つ、新時代のためのマニフェストです。

★『エリュトラー海案内記2』はまもなく発売。東洋文庫の第874巻です。全2巻完結。「1世紀頃の紅海からインド洋にかけての交易の実態を伝える決定的史料を、最新の研究成果を盛り込んだ的確・綿密な注釈で読む。第2巻には総索引を付す」と帯文に謳われています。第2巻は第38~66節までを収録。第1巻から続く訳者解題では、エリュトラー海における航海、交易、交易に関わるその他の諸問題が解説されています。索引は人名・地名・事項を収録。訳者あとがきによれば、刊行まで20年以上を要したとのことです。東洋文庫の次回配本は9月、覚訓『海東高僧伝』(小峯和明/金英順編訳)です。

★華園聰麿『宗教現象学入門』はまもなく発売。1989年から2009年にかけて公刊された、ミュラー(Friedrich Max Müller, 1823-1900)、オットー(Rudolf Otto, 1869-1937)、ファン・デル・レーウ(Gerardus van der Leeuw, 1890-1950),
メンシング(Gustav Mensching, 1901-1978)、エリアーデ(Mircea Eliade, 1907-1986)らをめぐる論考に加筆修正を施し一冊にまとめたもの。目次を列記すると、序章「宗教現象学をめぐる動向」、第一章「宗教現象学における人間学的理解――序説」、第二章「オットーの宗教学における人間学的理解」、第三章「ファン・デル・レーウの宗教現象学の人間学的考察」、第四章「エリアーデの宗教学の人間学的理解――「ヒエロファニー」のカテゴリー的解釈の試み」、第五章「メンシングの宗教学の人間学的理解」、終章、注、参考・引用文献、あとがき、事項索引、人名索引、となっています。著者の華園さんは周知の通り、オットーの主著『聖なるもの』の新訳を創元社より2005年に刊行されています。なお、この本で取り上げられているファン・デル・レーウには、本書と同じ題名の訳書『宗教現象学入門』(田丸徳善訳、東京大学出版会、1979年)がありますが、残念ながら絶版です。

★『藤田嗣治 妻とみへの手紙 1913-1916』は上巻が発売済で下巻がまもなく発売。帯文によれば「無名時代の画家・藤田が最初の妻とみへ宛てた179通の書簡を完全復刻!」(上巻)、「欧州大戦はじまる!混乱のヨーロッパから妻とみへ宛てた書簡を完全復刻!」(下巻)と。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。上巻には資料番号1~59の書簡、下巻には60~179の書簡が収められています。監修者の林さんによる「刊行にあたって」によれば、本書に収められた書簡群は1980年ごと、千葉県市原市のとある旧家の蔵から発見された柳行李に入っていたもの。80年代末に公刊準備が進められたものの頓挫し、2003~2004年に「パリ留学初期の藤田嗣治研究会」により私家版『藤田嗣治書簡――妻とみ宛』として刊行されたといいます。そして今回あらためて全文復刻出版が企図された、と。「いったん失われた文字データの再入力と校正」(下巻、林さんによる「編集後記」)の手間を取ったとのことで地道なご苦労が偲ばれます版権表記は、Fondation Foujita, ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyoとなっています。出版にあたり資生堂が助成金を捻出されています。貴重な一次資料の刊行に敬意を表する次第です。

★松村由利子『少年少女のための文学全集があったころ』は発売済。新聞記者出身の著者による「児童文学への愛にあふれる珠玉のエッセイ」。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。「食いしん坊の昼下がり」「記憶のかけら」「読むという快楽」「偏愛翻訳考」「読めば読むほど」の5部構成で、取り上げられている本は巻末の「この本に出てきた本の一覧」に纏められています。その数、百数十点。小学館、岩波文庫、講談社、学研、創元社、河出書房など各社の少年少女文学全集も含めると、300点以上になります。「古典を知り、さまざまな国々の文化を知るうえで、本という形はまだまだ有効である。子どものころに、そのエッセンスに触れることはプラスにこそなれ、マイナスにはならない。そして、グローバル化が進み、共通語としての英語がますます力をもつようになった時代だからこそ、多様な言語で書かれた名作を美しい日本語で読む意味がある。世界が複雑化し、子となる文化や歴史を抱える人たちへの理解が一層大切になってきた今、読み巧者の文学者や教育者が子どもたちのために古今東西の名作を網羅した全集を、再び編んでくれないだろうかと願っている」(181頁)とのご意見に大きな共感を覚えます。

★藪亨『デザイン史』は発売済(8月3日取次搬入済)。帯文はこうです。「十九世紀における美術工業運動、装飾芸術と美的ユートピア、近代美術工業とデザイン、デザインとメディア……。こうした一連のテーマをめぐって近代の西欧と日本に現れるデザイン運動について、その意義と成果を直接に掘り起し、デザイン史の歴史、理論、批評の可能性に迫る」。目次を列記しておくと、序章「デザインとデザイン史」、第I章「十九世紀における美術工業運動」、第II章「装飾芸術と美的ユートピア」、第III章「近代美術工業とデザイン」、第IV章「メディアとデザイン」、終章「デザイン史の課題」、あとがき、収録図版出典一覧、事項索引、人名索引です。1973年から2013年にかけて折々に発表されてきた論考に一部改稿を加えて一冊としたもの。「本書は、私がこれまで歩んできたデザイン史研究のおおまかな足跡であり道程でもある」(あとがき)とのことです。著者の藪亨(やぶ・とおる:1943-)さんは大阪芸術大学名誉教授。著書に『近代デザイン史――ヴィクトリア朝初期からバウハウスまで』(丸善、2002年)があります。

★『歴史としての社会主義』は発売済。帯文に曰く「社会主義とは何だったのか。東ドイツ社会を生きた人々の日常生活の一面を掘り起こし、社会主義社会の歴史的経験を検証する」。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。「いまなぜ東ドイツか」「東ドイツ社会を生きる」「歴史としての社会主義」の3部構成で11篇の論考が寄せられたアンソロジーです。巻末に参考文献、東ドイツ史略年表、索引(人名および事項)が付されています。「東ドイツの国内の政治と経済・社会を分析しつつ、意識的に日本や東ドイツをはじめとした戦後社会との類似点、相違点についても言及している」(あとがきより)。「第二次世界大戦後の東ドイツの人々の日常的な経験が戦後日本社会を生きた人々の経験と無縁ではない〔・・・〕。急激な農地改革とそれにともなう農村社会の変化、コンビナート化され巨大化する工場の内外における稠密な人間関係、家族関係の変動と急速な高齢化、大衆化する休暇旅行をめぐる労働者と企業・政府間の葛藤、伝統的な大衆音楽と外から流入する新しい音楽のぶつかりあいと融合、マイナーな集団による社会的な抵抗が独裁的政治というダムを決壊させうる可能性等々、東ドイツの人々の日常は、もちろんまったく同じだったわけではないが、私たちの日常でもあったのではないか?」(第一章、11頁)。

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