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月曜社2020年11月新刊:アルフォンス・ド・ヴァーレンス『マルティン・ハイデガーの哲学』

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マルティン・ハイデガーの哲学

アルフォンス·ド·ヴァーレンス[著] 峰尾公也[訳]
月曜社 2020年11月 A5判上製432頁 ISBN978-4-86503-103-4


※アマゾン・ジャパンにて予約受付中


『存在と時間』の仏訳者による高名なハイデガー研究(1942年)の待望の初訳。同書全体の詳細な註解に加え、『形而上学とは何か』『根拠の本質』『ヘルダーリンと詩作の本質』『芸術作品の根源』の解説を収録するほか、フッサール、ヤスパース、ディルタイ、キルケゴール、ニーチェとの比較考察なども充実。フランスにおけるハイデガー受容初期の金字塔にして、今なお最良の入門書のひとつ。シリーズ・古典転生、第23回配本、本巻第22巻。



「われわれは『存在と時間』のうちに、こうした実存論的哲学とは対照的に、或る実存的哲学も一緒に見出す。この実存的哲学は、引き受けられた有限性の経験でありたいと望み、またそれを記述したいと望む。最後に、また『存在と時間』以降の時期に、ハイデガーはニーチェ的な傾向をもつ哲学をわれわれに提示する。そしてこの哲学は、大地への下降的超越のうちに、それでもやはり耐えがたい有限性のための救済策を探している」(本文より)。


目次:
序文
第Ⅰ部 導入
 第1章 問題と方法
第Ⅱ部 実存論的分析論
 第2章 最初の素描
 第3章 世界内存在
 第4章 現存在の複数性と世人
 第5章 現の構造
 第6章 実存の非本来的様相
 第7章 現存在の究極的で無差別的な構造についての最初の展望 .
  第1節 問題の措定
  第2節 不安、現存在の無差別的構造への接近方法
  第3節 気遣い、現存在の無差別的構造
 第8章 全体性としての人間存在の問題――死の存在論的解釈
 第9章 良心、本来的実存の証し
 第10章 本来的実存の存在
 第11章 時間性の問題
  第1節 概論
  第2節 現存在の無差別的構造の時間性
   (A) 情態性とその諸派生態との時間性
   (B) 了解の時間性
   (C) 語りの時間性
   (D) 現存在の全体的な無差別的構造の時間性
  第3節 非本来的実存の時間性
  第4節 本来的実存の時間性
  第5節 世俗的で世界内部的な時間性
  第6節 通俗的な時間観の起源
 第12章 現存在の歴史性
第Ⅲ部 ハイデガーの著作における哲学的な主要問題
 第13章 超越の問題
 第14章 超越と無
 第15章 自由
 第16章 最終的展望
 第17章 美学
第Ⅳ部 考察と結論
 第18章 実存的哲学と実存論的哲学――ヤスパースとハイデガー
 第19章 ハイデガーと形而上学
 第20章 ハイデガー哲学の実存的主題とその起源
  第1節 記述的方法
  第2節 ディルタイ
  第3節 キルケゴール
  第4節 ニーチェ
 第21章 結論
補遺
訳者あとがき
主要関連文献
略年表


著者:アルフォンス・ド・ヴァーレンス(Alphonse de Waelhens, 1911–1981)ベルギー、アントウェルペン出身の哲学者。ルーヴァン・カトリック大学で法学と哲学の博士号を取得後、1946年に同大学の教授となり、ブリュッセル・サン= ルイ大学などで教鞭をとる。フッサールとハイデガーをはじめとする現象学・実存哲学の研究から出発し、フランスにおけるドイツ哲学の受容に貢献した。後年には、フロイトとラカンの精神分析に関する研究にも従事する。主要著書に、本書『マルティン・ハイデガーの哲学』(1942年)、『両義性の哲学』(1951年)、『現象学と真理』(1953年)、『精神病』(1971年;アルフォンス・ドゥ・ヴァーレン『精神病』塚本嘉壽・橋本由美子訳、みすず書房、1994年)など。


訳者:峰尾公也(みねお・きみなり, 1986-)東京都生まれ。2018年、早稲田大学大学院文学研究科哲学コース博士後期課程単位取得退学。現在、早稲田大学非常勤講師、博士(文学)。専門はハイデガーと現代フランス哲学。著書に『ハイデガーと時間性の哲学』(溪水社、2019年)。主要論文に「実存的哲学と実存論的哲学」(『交域する哲学』所収、岡田聡・野内聡編、月曜社、2018年)など。


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