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7月新刊:W・ウォルターズ『統治性――フーコーをめぐる批判的な出会い』

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■ 2016年7月8日取次搬入予定 【思想/社会】

統治性――フーコーをめぐる批判的な出会い
ウィリアム・ウォルターズ著 阿部潔・清水知子・成実弘至・小笠原博毅訳
月曜社 2016年7月 本体2,500円 46判(天地190mm×左右130mm)並製336頁
ISBN:978-4-86503-034-1

※アマゾン・ジャパンにて予約受付中

国際関係/政治/現代社会の現在を分析するための道具としての統治性概念の探究へ。多くの国の大学院コースで採用された定評ある研究書。ミシェル・フーコーによって展開された統治性という概念は、社会学や政治学など多くの分野で基本的な研究ツールとなっている。複雑で予測困難に思われる今日の世界を、社会科学という道具を用いて理解するうえでの統治性概念の大きな可能性を本書は追究し、フーコーの政治思想、権力、統治、主体性という問いや方法について、議論の導線をかたちづくる。日本語版序文を付す。

ウィリアム・ウォルターズ(William Walters, 1964-):カールトン大学(カナダ、オタワ)政治学・社会学教授。著書にUnemployment and Government: Genealogies of the Social [CUP 2000]、Jens Henrik Haahrとの共著にGoverning Europe [Routledge 2005]がある。『統治性』は、独・仏・伊・ポーランド・フィンランドの各国語に翻訳されている。

原書 Governmentality: Critical Encounters, Routledge, 2012.

目次
日本語版への序文
謝辞
イントロダクション
第一節 統治性の高まり
第二節 批判的な出会い
第三節 四つの章

第一章 フーコー、権力、統治性

第一節 統治性とはなにか
第二節 権力の微視的物理学を越えて?
第三節 国家の理論から国家の系譜学へ
第四節 統治術の歴史
司牧的権力/国家理性/自由主義的な統治性
第五節 フーコーと統治性に関する五つの課題

第二章 統治性3・4・7

第一節 フーコー以降の統治性
概念の展開/現代を研究する/「国家を超える政治権力」/権力の新しい領土
第二節 統治性と政治学
マイナーな知識?/統治の特殊性/統治のテクネー/「統治」を脱中心化する
第三節 統治性の諸問題
ヨーロッパ中心主義の諸問題/自由主義のバイアス/パッチーー統治作動中/装置とはなに(でない)か。/統治性、政治、政治的なもの

第三章 よみがえるフーコー効果? 国際統治性研究へのいくつかの覚え書き
第一節 連座配置
第二節 いくつかの予備的考察
第三節 国際統治性研究における問題と論争
統治性のスケールアップ(Ⅰ)/統治性のスケールアップ(Ⅱ)/国際的なものの個別化/フーコーの道具箱の外への移動/異なる幾何学

第四章 統治性と系譜学をふたたびつなぐーースタイルの問題

第一節 系譜学と統治性
第二節 系譜学を多元化する
第三節 系譜学を実際にやってみるーー三つのスタイル
第四節 系統図?権力の家系図か。(系譜学Ⅰ)
第五節 対抗的記憶と再系列化(系譜学Ⅱ)
第六節 忘れられた闘争と従属化された知の再奪取としての系譜学(系譜学Ⅲ)

結論 統治性との出会い
第一節 権力の新たな地図作成としての統治性
第二節 マッピングから出会いへ
概念を考え出せ/外へと動き出せ/視角を変えろ/系譜学を実践せよ/合理主義に用心せよ/底面を探究せよ
第三節 統治性と政治

訳者あとがき
参考文献
索引

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