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Channel: URGT-B(ウラゲツブログ)
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ショタレ本

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とある書店さんから聞いた話です。


支店が閉店することになり、各店や取次から応援の人員を出してもらって返品作業をしていた時のことです。事務所の片隅に長らく放置されていた小さなダンボールの一つに、すっかり薄汚れた文庫本が十数冊入っているものが見つかりました。買切版元の本でもなく、なんだこれ、と一人が支店長に声を掛けると、ああそれショタレじゃないです、そもそも売り物でもないです、と言います。監視カメラを確認してもよく分からなかったんですけど、店内の一角に古本を置いていくお客さんが時折いたみたいなんです。なに、いったい何の話だよ、と本部社員が文庫本をパラパラめくって、うわっ気持ち悪い、と叫び声を上げました。赤いペンの書き込みがびっしりとあって、支離滅裂な言葉が延々と並んでいたのです。確かにすべてかなり古い文庫本で、お店で扱うようなものでもありませんでした。人だかりができて皆で本部社員の手元を覗き込んでいると、支店長が、あっ、そっちは触らない方が、と鋭く言いました。ダンボールに最後の一冊が残っていました。文庫サイズの手帖のようで、表紙に「D」とレタリングしてあり、他と比べると新しそうでした。それ見ちゃだめなヤツですよ絶対、と真面目な顔をして言います。皆が見たがっているのを察したのか、支店長は畳みかけるように続けました。たぶんその中身、血で書いてます。ページに毛とか皮膚がたくさん挟まってますし、最悪です。すぐに捨てたかったんですけど、お客様の忘れ物だったらどうしようって思って。でももうずっと誰も取りに来ないし、もう閉店だから捨ててもいいですよね、本当に見ない方がいいですよ。支店長はその後、退職しました。送別会の時の笑顔は、今も忘れられません。

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