2017年4月18日取次搬入予定 *人文・思想
表象11:ポスト精神分析的主体の表象
表象文化論学会=編【表象文化論学会=発行、月曜社=発売】
本体予価2,000円 A5判並製312頁 ISBN978-4-86503-045-7
アマゾン・ジャパンにて予約受付中
人工知能の爆発的発展、ビッグデータによる管理の遍在化、アルゴリズムを介した行動予測──人間が「内面」や「無意識」といった深みなしに捉え返されつつあるいま、「自己」や「心」はどこにあるのか? それはいかなる「主体」なのだろうか? 本特集では、ラカンの精神分析(ミレール派)と認知科学の自然主義との交錯、自閉症の前景化といった現象に着目しながら「ポスト精神分析的主体」の光景をめぐって討議する。特別掲載として、シェイクスピアのソネットを翻訳したツェランについてのペーター・ソンディの未邦訳批評を紹介。
目次:
◆巻頭言「表象からのこの不気味な撤退は何を意味しているのだろう?」佐藤良明
◆特集「ポスト精神分析的主体の表象」
共同討議「精神分析的人間の後で──脚立的超越性とイディオたちの革命」千葉雅也+松本卓也+小泉義之+柵瀨宏平
「因果的決定論から悲劇的行為へ──精神分析的主体をめぐって」柵瀨宏平
「個の認知から相互行為的認知へ──行為のマイクロ分析から」細馬宏通
「自己・再帰性・異種混交性──手帳術本の再分析を中心に」牧野智和
「無意識と語る身体」ジャック゠アラン・ミレール|山﨑雅広+松山航平訳
「ただひとつの生──生物学的抵抗、政治的抵抗」カトリーヌ・マラブー|星野太訳
◆特別掲載「シェイクスピア没後400年」
「Poetry of Constancy/変わらなさの詩法──シェイクスピアのソネット105番のツェランによる翻訳について」ペーター・ソンディ|清水一浩訳
◆論文
「合生的形象──ピカソ他《ラ・ガループの海水浴場》における物体的思考プロセス」平倉圭
「理性の使用価値──ジョルジュ・バタイユのサド論について」井岡詩子
「保存修復とX線の「暴力性」──キャサリン・ジルジュ《スザンナと長老達:修復後》(1998)をてがかりに」田口かおり
「モデルに倣う──ファッションにおけるパターンの出現」平芳裕子
「二重記述へのステップ──デヴィッド・ダンの《樹の中の光の音》における科学的視座の役割」岡崎峻
「映像化される『雁』の世界──戦後日本映画における女性表象の生成過程をめぐって」北村匡平
◆書評
「貧しさについて――池野絢子『アルテ・ポーヴェラ』書評」松浦寿夫
「〈絶滅の文化〉としての演劇、その未来のために――内野儀『「J演劇」の場所』書評」小澤英実
「身体で読む身体の喜悦――沖本幸子『乱舞の中世』書評」武藤大祐
「古典的ハリウッド映画の継承/異化――小野智恵『ロバート・アルトマン 即興性のパラドクス』書評」山本祐輝
「苛烈な闘争の記録――木下千花『溝口健二論』書評」蓮實重彦
「〈原子力〉に対して哲学は何をなしうるか――佐藤嘉幸・田口卓臣『脱原発の哲学』書評」渡名喜庸哲
「「不実なる忠実さ」の系譜――竹峰義和『〈救済〉のメーディウム』書評」海老根剛
「「ポスト真実」時代のアートヒストリー――田中純『過去に触れる』書評」高山宏
「「過剰」の効用――長木誠司『オペラの二〇世紀』書評」広瀬大介
「ポピュラー音楽とメディエーション:グローバル化したアメリカ音楽と日本(そして韓国)――東谷護『マス・メディア時代のポピュラー音楽を読み解く』書評」佐藤守弘
「ロシア現代思想というブルーオーシャン――乗松亨平『ロシアあるいは対立の亡霊』書評」東浩紀
「〈無国籍者〉の映画論――御園生涼子『映画の声』書評」中村秀之
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4月下旬発売予定新刊:『表象11:ポスト精神分析的主体の表象』
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