2月10日発売済月刊誌『中央公論』2016年3月号で「新書大賞2016」が発表されました。今回の大賞(第1位)は井上章一さんの『京都ぎらい』(朝日新書)でした。井上さんのインタビュー記事が掲載されています。とあるプロレス会場でとあるレスラーに対して飛ばされたヤジを耳にしたことが本書誕生のきっかけだったそうです。スレスレのところを突いてくるユーモラスなコメントの数々はぜひ3月号でご確認ください。
第2位は小熊英二さんの『生きて帰ってきた男』(岩波新書)、第3位は池内恵さんの『イスラーム国の衝撃』(文春新書)でした。順位は20位まで発表されています。「目利き28人が選ぶ2015年私のオススメ新書」には例年通り私も参加させていただいたのですが、20位以内に入る書目を一つも挙げ(ることができ)なかったというのは初めてのような気がします。2015年は出版界の激動期だった印象が強かったので、私が挙げた5冊のうち3冊は業界関係の本でした。そのせいもあるのかもしれません。ほかの選者の皆さんとも推薦書がほとんど重複しておらず、唯一同じ書目を挙げられていたのはほかならぬ井上章一さんでした。佐々木敦さんの『ニッポンの音楽』(講談社現代新書)です。これは一昨年12月に刊行された本なので、昨年の新書大賞では水牛健太郎さんが挙げておられました。新書大賞は2015年版から、前年の1月~11月に刊行された新書を対象としており、12月刊は翌年の対象として持ち越されるものの、選者の裁量もあって早めに取り上げる方もいらっしゃるということなのでしょう。
恒例の総括対談は永江朗さんと荻上チキさんのお二人。昨年はこのお二人に宮崎哲弥さんを合わせて三人。その前までは宮崎さんと永江さんのお二人でした。
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「新書大賞2016」発表
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